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【相続事例・問題】

相続時に発生する問題、トラブルについて、事例を交えて説明しています。相続において問題やトラブルが発生するのは珍しいことではありません。事例をもとに対策を知り、相続問題の解決にあたりましょう。

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遺産分割を禁止する理由、方法、その効果とは?

相続の際に気になることといえば、「遺産分割」についてではないでしょうか?

遺産分割とは、遺言書が無く、相続人が複数人の場合、相続開始後に相続人全員で被相続人の遺産をどのように分配するか決める話し合い、遺産分割協議により決める一連の行動のことを指します。

では「遺産分割の禁止」という言葉はご存知でしょうか?

本稿では「遺産分割の禁止」の概要やその方法、またどのような場合に行うのかという点や、知っておくべきことについてご紹介していきます。

 

遺産分割の禁止とは?

遺産の分割は、相続開始後、原則としていつでも行うことができます。

遺産分割の協議は書面でも対面でもでき、話し合いがまとまり相続人全員が合意をすると、協議は完了となります。

しかし、その時の状況や必要な条件が揃えば、遺産分割を禁止することもできるのです。

遺産分割の禁止は、一定期間、遺産の分割を停止する方が適切だと判断された場合に行われます。

では、遺産の分割を停止することで、どのような効果があるのか、またどのような条件が必要なのかを具体的に見てみましょう。

 

遺産分割の禁止による効果

遺産分割の禁止とは、遺産の分配について相続人間で紛争が起こりそうだと予測される場合や、紛争が起こってしまった場合に、遺産の分割を停止することができる制度のことです。

一定期間遺産分割を停止することが可能となるため、その期間に相続人間で遺産の分割について話し合いを行うことが可能です。

遺産分割の禁止は、包括承継人に対してだけではなく、特定された一部のみ承継できる特定承継人に対しても効果があります。

不動産の場合において、遺産分割の禁止を第三者に主張するためには、登記が必要になりますので注意が必要です。

また、遺産について相続税がかかる場合、相続開始後10か月以内に相続人全員が申告し納税する必要があります。

申告期限までに相続税の申請ができなかった場合、減税の特例が受けられないなどのデメリットがありますが、遺産の分配が未実施であることについて、やむを得ない、と税務署長の承認を得られれば、減税の特例を受けることができます。

その場合、相続税の申告が遅れたことによるペナルティの追加納税も発生しません。

 

遺産分割の禁止の条件

遺産分割の禁止を実行することができる期間は、民法で”5年を超えない期間”とされています。

5年以内であれば、2年でも3年でもその期間を定めることが可能ですが、「5年を超えない期間」とされているのは、長期間、遺産が共有状態であることを防ぐ目的があります。

民法では、遺産の単独所有が望ましいという考えがあるため、民法の性質上期間の上限が定められているようです。

遺産分割の禁止は、「遺言による方法」「家庭裁判所による方法」「相続人間の合意による方法」などがありますが、どの方法においても期間の上限は同じ5年を超えない期間です。

各方法についての詳細は、後ほどご紹介します。

なお、遺言による方法では物理的に難しいためできませんが、相続人間が合意を得たうえで停止する方法であれば、この期間を更新することも可能です。

更新後の期間も5年を超えない期間とされているため、実質5年毎の更新ができることになります。

 

遺産分割の禁止の必要性とは?

では、遺産分割を禁止するのはどのようなケースになるのでしょうか?

シチュエーション別に3つご紹介します。

 

①相続人に未成年の若年者が含まれる場合

若年者は、判断力が未熟なため、話し合いによる遺産分割において不利になる可能性があります。

そのため、判断力が十分に養われてから改めて遺産分割を開始できるよう、一時的にストップさせることができるのです。

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2019.6.22

相続財産が他の相続人に使い込みされたら?使い込み問題への対処法

「相続財産が知らない間に使い込まれている」という相続トラブルは、実はよくあるケースです。

使い込んだとしても何事も無く、誰も知らないまま相続が実行されてしまうこともあります。

そして、相続実行後に何らかの理由で財産の使い込みが発覚したとしても、指摘しにくい場合もあるかもしれませんし、同居や介護、その他の理由で、確かに正当性もあるかもしれません。

しかし、大切な人を亡くした時、知らされていない事実に冷静に対処できる可能性は極めて低く、対処にミスがあると、相続トラブルへと発展します。

相続財産の使い込みに対しては、どのように対処すればトラブルを回避できるのでしょう。

この記事では、相続財産の「使い込み」が発覚した場合の対処法について解説します。

 

相続時に使い込みが発覚することがある!

遺産分割協議に入ったときに「あれ?預金がこれだけ?」、または「株や債権があったはずだけど」、もしくは「○○の土地の権利書は?」と、相続人達が期待していたほどの財産が残っていなかった時、相続財産を無断で使い込んだ可能性が浮上します。

被相続人の財産を管理していた同居家族や、被相続人の家をよく訪れていた人に疑惑の目を向けてしまう気持ちも仕方がないかもしれません。

被相続人の同居家族は、「療養費や介護費用等に必要だった」と主張することもあるでしょう。

使い込みが発生するいくつかの事例を見ていきます。

 

故意ではないが使い込みと判断された事例

認知症が始まってしまっていた被相続人が、譲る約束をした財産が相続時には存在しなかったケースです。

生前に娘の子供(孫)の学費のために、被相続人が娘に不動産を売却さあて利益を渡したことを他の親族の誰も知らなかったとします。

不動産を売却したことを被相続人が忘れてしまって、死ぬ前に、同居家族の長男に介護の御礼に売却済の不動産を譲る約束を重ねてしてしまった、とします。

不動産を売却した娘からすると、親の許可を得て、親の不動産の売却を代理で手続きしたに過ぎないので、脱税や使い込みの意識が無かったでしょう。

しかし、長男からすると、親から相続するはずだった不動産を無断で使い込んだと思ってしまうのも仕方ありません。

さらに、被相続人が遺言書を残していなければ、不動産の相続の意志を証明する術もありません。

例え故意ではなくとも、使い込みであると状況判断された場合、望まないトラブルが起こる可能性は非常に高くなります。

親が病気や認知症で、正常な判断ができない状況にある場合は、娘は財産の処分について親族全員に相談するべきでした。

同様に、親の介護のためにどうしても必要なお金も、相続トラブルを防ぐために相続人となり得る人たちの許可が必要となります。

その手続きを経ずして、勝手に行動を起こしては、よほどの証拠がない限り、後でトラブルの原因になります。

 

自分が受取人の生命保険を解約した事例

生命保険に関するお金も、使い込みと判断されてしまう可能性があるケースです

受取人が長男となっている生命保険の掛け金を、親の年金では足りないため、同居家族の長男が払っていたとしします。

その掛け金の支払いも難しくなり、親の生命保険を相談なく解約して受取人としてして利益を得た時に、使い込みとして判断されます。

なぜなら、死亡保険金を相続するはずだった、他の法定相続人に不利益をもたらすためです。

保険料が親の収入で払えないなら、そのことを他の相続人、保険の担当者と相談するべきでした。

その解約払戻金が介護費用として必要だったと主張しても、使い込みのトラブルと発展してしまいます。

このように、使い込みの範囲は、預貯金だけで無く、不動産や生命保険・医療保険等の解約による払戻金、株や不動産による賃料、年金等、被相続人名義のあらゆる財産に及びます。

その使い道が、たとえ介護・療養費用だったとしても、「使い込み」だと一旦疑われては、トラブルを防ぐのは難しいでしょう。

 

しかし、上記のような使い込みに関する相続問題は、遺産分割協議についてのトラブルを解決する場所である調停(遺産分割調停)では解決できない問題となります。

まずは相続財産を明確にした上で、相続人同士での遺産分割協議が必要です。

 

相続財産が他の相続人に使い込みされたときの対処法

相続人が使い込みをしたと判断された場合、使い込まれたのは被相続人の財産です。…

2019.6.21

相続において利益相反が起こってしまったときどうすればいい?

相続における「利益相反」をご存知でしょうか。

これは、遺産相続の際に起こりうるトラブルの1つです。

人の寿命はいつ尽きるか誰にもわかりませんが、自身の死後にどのようなトラブルが起こり得るかを知っておき、対策を立てることはできます。

特に遺産相続に関しては、早めに対策を立てることが推奨されています。

なぜなら、相続トラブルのほとんどが、想定していなかったことやミスが判明した瞬間が引き金となるからです。

この記事では、相続における利益相反や、トラブルを防ぐための対策、特別代理人の選定について、詳しく解説していきます。

 

相続時における利益相反とは

ここでは、利益相反について解説していきます。

また、利益相反を防ぐために、「法定相続人」「相続放棄」「遺言書」についても併せてご紹介しています。

利益相反のおそれがある場合は、法律に則った遺産相続を行うことによって、トラブルを回避することをおすすめします。

 

利益相反行為とは

相続時における利益相反とは、遺産分割協議の際に親権者と子の利益が相反してしまうことを言います。

利益相反が起こると、一方は利益を得て、他方は不利益を被ってしまいます。

親権者と子がともに法定相続人である場合、遺産分割協議を行います。

その際に、親権者が、子からすると不利益となる協議にしてしまうことを、「利益相反行為」と言います。

 

法定相続人とは

遺産相続をする際には、相続人を明確にする必要があります。

親族には幅があるため、相続人が曖昧である場合、遺産分割を行うことは不可能です。

この問題の解決策として、「法定相続人」が定められています。

即ち、法定相続人とは、「民法で定められた相続人」のことです。

 

被相続人の配偶者

被相続人(故人)に配偶者がいた場合は、配偶者が法定相続人として、遺産相続の権利があります。

ただし、配偶者は、法定相続人の中でも例外の立ち位置にあり、特に優先順位が定められているわけではありません。

配偶者は、「あらゆる場合において法定相続人である」という捉え方が適しています。

従って、法定相続人が配偶者以外にいなければ、遺産相続の権利は全て配偶者のものとなります。

仮に、配偶者以外にも相続人がいれば、配偶者とその相続人に遺産相続が分与されます。

 

法定相続人の優先順位①

第1順位の法定相続人は、被相続人の子です。

子が2人以上いる場合は、同順位の法定相続人となるため、法定相続分は人数に応じた計算となります。

被相続人に配偶者と子がいる場合は、両者が法定相続人となります。

その場合は、配偶者と子が2分の1ずつの法定相続分と定められています。

仮に配偶者と子が2人いる場合は、人数に応じて計算するため、それぞれの法定相続分は、配偶者が2分の1、子が4分の1ずつとなります。

 

法定相続人の優先順位②

第2順位の法定相続人は、被相続人の親です。

2019.6.13

DINKSの相続はトラブルになりやすい?なりにくい?

自分や家族の誰かが亡くなった後の相続を考えることは、家族との別れを想像するということなので、できれば先延ばしにしておきたくなります。

それは、自分が亡くなった時のことであっても、老齢の家族のことであっても同じでしょう。

子どものいない夫婦二人だけの生活スタイル・DINKS(ディンクス)で暮らす夫婦にとっても、相続を考えることは信頼できるパートナーとの生活が終わりを迎えることを意味するので、想像したくはないでしょう。

しかし、DINKSの相続は、子どもがいないために思いもよらない人が相続権を得ることもあります。

どちらが先に亡くなるか、どちらが残されるかは分かりませんが、お互いのために、しっかりDINKSの相続を勉強しておきましょう。

 

DINKSとは?

日本は、多様な家族の形が許容される社会になってきました。

今や女性が仕事を持ち働くことが当たり前になり、専業主婦のいる世帯と共働き世帯の数は平成初期に逆転しました。

夫婦共働きの家庭の中でも、意識的に子どもを持たない夫婦は、Double Income No Kids(ダブルインカムノーキッズ:2収入、子どもなし)、頭文字を取ってDINKSと呼ばれています。

DINKSの夫婦は大人同士、自立したパートナーとして互いを尊重しながら生活を送っています。

これまでの価値観は「結婚したら子どもがいて当たり前」「子どもを育てるために結婚する」というように、子どものいない夫婦にとっては生きづらい社会でした。

しかし、芸能界のDINKSのご夫婦が、理想の夫婦像としてメディアで紹介されていることも多く、DINKSへの認識が高まり、子どもがいなくても幸せな結婚生活を送っている夫婦がいることが知られるようになってきました。

総務省の2015年の調査によると、結婚している夫婦のうち「子どものいない共働きの夫婦」の割合は約3割に上ります

この中にはDINKSももちろん含まれますが、子どもを望んでいるけれど授かることができない夫婦、高齢で結婚したため子どもを持てない夫婦なども含まれます。

この割合を妥当と思われますか。それとも意外と思われるでしょうか。

 

DINKSの相続はトラブルになりやすい

DINKSのご夫婦は共働きで、教育費などの「子ども費」などがかからないため、家計に余裕のあるご家庭も多いでしょう。

仕事に思う存分力を入れることもできますし、趣味にお金と時間を使うことができます。

 

しかし、考えたくはないことですが、誰しも今の生活を永遠に続けられるわけではありません。

例えば、どちらかが先に亡くなった場合、子どもがいれば相続人は配偶者と子どもになりますが、子どもがいないと相続人が家庭外に広がり、相続は複雑になってきます

 

ケース別DINKSの相続

では、DINKSの場合、財産がどのように相続されていくのか、ケースごとに説明していきます。

 

配偶者の親が健在

亡くなった人の親、つまり義理の両親が健在の場合には、亡くなった人の遺産を配偶者が2/3、義理の両親が1/3を相続します

義母・義父共に健在の場合でも、相続する遺産は合計で1/3です。

遺言書などで配偶者の取り分を多く書いておいた場合でも、義理の両親には最低限の遺産の取り分(遺留分)が法律上保障されています。

配偶者と義理の親が相続する場合には、義理の親には相続内容の1/2の遺留分が保障されています。

主な相続財産が夫の名義の自宅で、そのほかに相続する財産がなければ、義理の親が1/3を相続するとなると困ってしまいます。

2019.5.22

遺産相続でもめる原因とは?トラブルが起きやすい状況と対処法

人生で何回かは発生する遺産相続は、私たちの「自分を守ろう」とする部分が強く出てしまう場面の一つでしょう。

実際、遺産を受け取る相続人たちの間で遺産分割の意見が割れてしまうケースが多くあります

割れてしまった場合、遺産相続に対する経験不足から対処法が分からずに、遺産相続が長引いてしまったり相続人たちの関係が悪くなる揉め事へ発展します。

遺産相続のトラブルを回避できる最も大切なコツは、「自分が正しい」よりも「明確な現実」を優先する以外ありません

つまり、基本的に利害関係のない専門家へ依頼することが一番の近道ですが、専門家への報酬を支払うのが厳しい方もいるかもしれません。

この記事では、遺産相続で多く見られるトラブルの原因と対処法をご紹介します。

 

遺産相続でトラブル多発

遺産相続の際に発生するトラブルの件数は、年々増え続けています。

増え続けているトラブルの内容は様々です。

例えば、

  • 長男が相続財産を独占する
  • 生前の親の介護問題を引き合いに遺産相続の分割でトラブルになる
  • 相続時に判明した離婚相手の子供の存在
  • 遺産相続が不動産のため、相続人の間で分割が難しい

 

遺産相続をする時に発生するトラブルは複数あります。

また、家庭内で遺産相続が発生する機会は少なく、経験不足からトラブルが起こりやすくもなっています。

 

一般家庭でも起きる

5000万以上の遺産総額の相続では、事前に相続対策が完璧になされている事が多く、専門家に話を通したりして、生前から対策を立てています。

しかし、5000万円以下の遺産総額の一般家庭の多くは、生前の対策がない中で始まってしまった遺産相続でトラブルが起こる事例が多くあります

遺産相続の際に発生したトラブルは、裁判所に持ち込まれて「遺産分割事件」と呼ばれます。

遺産分割事件は、全体の8割ほどが5000万円以下の遺産総額が原因で発生しています

その中でも、特に揉めているのが2000万円以下の遺産総額の遺産分割事件ですが、全体の3割ほどが1000万以下の遺産総額で遺産分割事件が発生しています。

 

相続でのトラブル、よくある原因とは?

遺産相続のトラブル、特によくある原因は3つあります

  • 相続される財産の種類、内容が不明
  • 相続財産の多くが不動産で、預貯金を上回っている
  • 遺言書の内容に、相続人の1人に財産を集中させて遺留分を侵害した

この他にも様々な原因で、トラブルが発生する事も多くあります。

 

財産が把握できない

遺産される財産が把握出来ていない場合、遺産分割を終わらせる事が難しくなります。

2019.4.12

相続時に前妻との相続関係はどうなるの?

今の時代、2分間に1組のカップルが離婚する時代ですから、離婚した後の人生で、再婚の道を選ぶ人も多いでしょう。

そうなると、相続の時に、昔結婚していた前妻との間に子供がいたことが判明したとか、離婚したばかりの妻が、さまざまな理由をつけて相続権を主張してきた、とか、離婚で相続トラブルが生じる可能性が多くなりました。

そんな時のために、この記事では、相続時に前妻との相続関係について解説します。

離婚後の相続関係はどうなる?

前妻に相続権はない

市区町村の戸籍係に離婚届けが受理された瞬間から、前妻は他人として相続権はありません。

ただし、元夫が、婚姻関係に関わらず特別縁故人として前妻に財産を与える旨の遺言書を残していたりしている場合を除きます。

ちなみに、調停や裁判による協議離婚の場合は、調停成立日、すなわち裁判の判決が出た日が離婚成立日であり、役所に届け出た日ではありませんので注意してください。

例えば、離婚裁判中、離婚調停中の夫婦であれば、その手続き中に夫が亡くなった場合、法定相続人の配偶者は、離婚調停中・離婚裁判中の相続順位1位の法定相続人として、夫の財産を相続できます。

前妻との子には相続権がある

離婚すると前妻は相続人の権利はなく他人となりますが、前妻との子供には相続権が残ります。

前妻が連れ子で再婚した場合、前妻の子は、養子縁組をにより新しい父親ができます。

法定相続人かどうかを判断する亡くなった人(被相続人)との続柄は、戸籍の情報のみで判断されます。

結果として、その子供は、母親の再婚相手(新しい父親)と実の父親がいる状態となり、2人の父親の「子」として財産の相続人となることができます。

相続の規定が定められた時代はDNA鑑定など無かったので、夫婦間の子供である証明は婚姻中に生まれた子か認知した子供、つまり父親が認めた子供が「実子」となっていました。

なお、法改正はその後変更はなく、婚姻関係にない女性との「婚外子」が相続できる財産は、結婚している「夫婦間の子供」の相続財産の半分と定められています。

婚外子が相続できる財産が少ないため、再婚で新しい父親ができたその子供は、実の父親と新しい父親の両者からの相続できる権利を持つ事になるのです。

しかし、DNA鑑定で100%実子かどうかを判別できる現代では、相続の民法の規定は時代にそぐわない内容となってきました。

そこで、2019年から相続に関する法改正が続々となされています。

前妻との間で起こるトラブル例

前妻との間で起こるトラブル事例を紹介します。

わかりやすいように、登場人物を設定します。

<事例設定>

相関図

 

【石井家】栄太の現在の家族

夫:石井 栄太(52歳)

妻:石井奈緒美(32歳)

長女:石井奈緒子(10歳)

【田中家】栄太の前妻の家族

夫:田中義男 (49歳)貴子の再婚した夫

妻:田中貴子 (50歳)石井栄太の前妻

長男:田中栄一 (28歳)石井栄太の実子/田中義男の養子だが1年前死亡

長女:田中貴代 (27歳)石井栄太の実子/田中義男の養子

次男:田中栄二 …

2019.1.31

相続のよくあるトラブル事例と覚えておきたい対処法

人生において、相続する機会は何度も訪れるものではありません。

だからこそ、相続するために必要なものや方法を知らない人が多く、実際に相続するときになって、さまざまなトラブルに巻き込まれて困ってしまうのです。

そんなことにならないためにも、相続のよくあるトラブル事例とその対処法についてご紹介いたします。

相続のトラブルはすごく多い

有名人の相続トラブルは、ワイドショーなどで見聞きしたことがある方も多いことでしょう。

しかし、相続のトラブルはなにも有名人に限った話ではありません。

平成29年度の「遺産分割事件数―終局区分別―家庭裁判所別」によると、遺産分割事件数(相続のトラブル)の全国総数は12,166件もあります。

これだけ多くの相続トラブルが存在しているのです。

その中でも、調停まで進んだものと調停に代わる審判の合計数は8,729件あり、多くの時間とお金が費やされているといった現状があります。

また、中には最高裁まで争った遺産分割事件もあり、穏やかではありません。

事件化させないためにも相続でよくあるトラブルのパターンとその対処法を知っておくことは重要だといえるでしょう。

相続でよくあるトラブルパターンと対処法

相続でよくあるトラブルは、「複数の共同相続人がおり、遺産の分割で話がつかない場合」です。

このような場合は、2つの対処法があります。

まず、1つ目は「徹底的に話し合う方法」です。

すでに遺産の分割で話がついていないため、共同相続人だけ話し合うことは避け、税理士や弁護士など相続に詳しいプロの手を借りて、遺産の分割をどのようにすべきかのアドバイスを仰ぐと良いでしょう。

プロに相談するのはお金もかかるし、不安だという方は、無料相談を実施している税理士事務所で無料相談を利用してみてから決めるということもできます。

2つ目は「家庭裁判所に遺産分割調停手続をする方法」です。

この方法は相続のトラブルがどうしても解決できないときの最終手段です。時間もお金もかかるため、デメリットもある方法であるといえます。

遺産分割調停手続では、家庭裁判所が相続人(遺産分割の内容に納得しておらず、遺産分割調停手続きを申し立てた人)や相手方(共同相続人で遺産分割調停手続きを申し立てられた人)の希望している分割方法の聞き取りをしたり、遺産の分割に関する解決案の提示や解決するための助言をしたりします。

また、遺産分割調停手続には、用意しなければならないものが7点あります。

≪遺産分割調停手続をする際に用意しなければならないもの≫

  • 被相続人1人につき収入印紙1,200円分
  • 連絡用の郵便切手
  • 申立書1通とその写しを相手方の人数分
  • 被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本、 被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいる場合、その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • 相続人全員の住民票又は戸籍附票
  • 遺産に関する証

これらをすべて用意し、遺産分割調停手続に臨みます。

もちろん、これ以外にも調停をとり行うため、弁護士費用も必要になります。

また、このほかにも調停で必要とされる資料は随時提出しなければなりません

2019.1.31

遺産相続のトラブルは起こりがち。トラブルへの解決法と予防策

相続のトラブルなんて、自分には無関係だとお思いではないでしょうか?

しかし、そんなことはありません。

遺産相続のトラブルはお金が絡む問題ということもあり、相続の際に起こりがちな問題です。

実際、それは司法統計からも明らかになっています。

もし遺産相続のトラブルが起こってしまったら、適切な解決法を取る必要があります。

そして、できれば、予防策を講じ、未然に遺産相続のトラブルを防ぐことが望ましいと言えるでしょう。

それでは、遺産相続のトラブルの解決法と予防策について、ご紹介いたします。

最近では遺産相続トラブルが起こりがち?

遺産相続のトラブルの増加は、「遺産分割事件数 終局区分別 家庭裁判所別」からも明らかです。

平成12年では8,889件だった遺産相続のトラブルは、平成29年には12,166件に増加しており、17年の間に約1.4倍になっています。

また、下記のグラフと表からもここ10年間の推移から遺産相続のトラブルが増加していることを知ることができます。

平成20年度

平成21年度

平成22年度

平成23年度

平成24年度

平成25年度

平成26年度

平成27年度

平成28年度

平成29年度

全国総数

10,202

10,741

10,849

10,793

11,737

12,263

12,577

12,617

12,179

12,166

調停成立

6,485

6,769

6,879

6,732

2019.1.31

よくある相続争い、実際に起きたトラブル事例5選

相続することになった際、スムーズに相続できればよいのですが、想定していなかった法廷相続人が突然現れたり、被相続人に家族も知らない借金があったりするなど、相続をすることになって初めてトラブルに直面するというのが、相続トラブルの難しいところです。

相続争いなど実際に起きたトラブル事例は数多く存在しています。

それでは、実際に起きた相続トラブル事例を元に解決策も合わせてご紹介いたします。

トラブル事例5選

相続のトラブルは数多くあります。

そんな中でもよくある相続トラブルの事例を5つご紹介いたします。

「遺産配分の内容に納得がいかない! 介護をしていない弟と同じ遺産なんておかしい」という事例の場合

遺産は配偶者がいる場合は、必ず配偶者が2分の1を相続することになっています。

そして、子どもがいる場合は、残りの2分の1を子どもの人数分で割って相続します。

介護には時間もお金も体力も必要です。

そのため、介護をしている法定相続人には、寄与分といって、民法で定められている財産があります。

下記が民法で定められている寄与分についての記載です。

(寄与分)

第九百四条の二 共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。

2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。

(引用:民法904条の2より)

このように、民法で定められている寄与分はあるのですが、介護をしていない法定相続人は通常の遺産分割を主張し、介護をしていた法定相続人は寄与分を主張することで相続できる遺産が異なるため、相続トラブルに発展することがあります

「相続できる遺産が不動産しかない。でも、複数の法定相続人が相続を主張している」という事例の場合

遺産が不動産しかないというケースは、よくあることです。

このような場合は、主に2つのパターンが考えられます。

まず、被相続人と法定相続人のうちの誰かが一緒に住んでおり、相続できる不動産からすでに住んでいる法定相続人を追い出せないパターンです。

次に被相続人だけが住んでおり、不動産が空き家となってしまい誰も住まなくなってしまうパターンです。

どちらの場合も法定相続人が複数いると、不動産の分割問題が浮上します

そのため、不動産の相続をめぐって、相続トラブルに発展してしまいます。

「遺留分のない法定相続人なのに、遺産を受け取りたいと主張してきた」という事例の場合

遺産には遺留分と言われる民法で保障されている財産があり、民法1028条では下記のように定められています。

(遺留分の帰属及びその割合)

第千二十八条 兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。

一 直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の三分の一

二 

2019.1.31

なぜ起きてしまう?相続問題が起こる4つの理由と対策方法

相続問題はちょっとしたボタンの掛け違いで起こってしまうこともあれば、遺産を独り占めしてしまおうと計画的に行われたことが原因で起こってしまうこともあります。

このように、相続問題の原因となるきっかけはさまざまです。

相続問題が起きないことが一番よいことではありますが、相続問題が起こってしまった場合は、速やかに専門家に相談することが重要となります。

なぜなら、専門家はさまざまなノウハウを持っているため、迅速に適切な対応をしてくれるからです。

では、相続問題が起こる理由とその対策方法についてご紹介いたします。

相続問題について

相続問題はある日、突然起こるものです。

まず言えることは、遺産が多くある場合は、必ず遺言書を作成しておくべきだということでしょう。

遺言書がないということは、残された法定相続人の誰もが予定外の苦労を強いられる可能性があるということでもあります。

それはたとえ相続問題がトラブルにならなかった場合でも言えることです。

これはどういうことかというと、遺産の把握には遺言書が重要な役割を果たすからです。

遺言書さえあれば、遺産の把握は容易くなります。

また、節税対策をした遺言書を作成していれば、法定相続人が相続税に悩むことは、遺言書がなかったときに比べ、格段に減ると言えるでしょう。

また、法定相続人が本来相続する遺産である遺留分以外を主張しなければ、相続トラブルに発展しないこともあります。

なんらかの理由で遺産の分割に納得がいかないこともあるかもしれませんが、本来相続するだけの遺産を相続することで満足できれば、遺産分割調停手続きなどに進むことなく、話し合いで解決することが可能になる確率が高くなるのです。

相続問題は被相続人の先を見通した行動(被相続人が亡くなった場合、どのようなことが起こるか考えられるか)と、法定相続人の常識ある行動で悪化することはないとも言えるのです。

近年相続問題は増加中?

残念なことに、相続問題は近年増加傾向にあります。

それは、「遺産分割事件数  終局区分別  家庭裁判所別 」を元にした下記のグラフと表からも明らかです。

平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度
全国総数 10,202 10,741 10,849