いざ、相続するといった状況に置かれたときに、相続財産について何も知らなかったという方は決して珍しくありません。
自分は財産を相続できる立場にいるのか、財産を相続できる場合、配分はどのくらいなのか、そういった基本的なことすらも知らず、相続する日を迎えてしまう人は数多くいらっしゃいます。
ですので、今回は相続財産の配分について、詳しくご紹介いたします。
法定相続人は財産を相続できる

遺産の相続は基本的には、法定相続人が相続できることになっています。
平成30年4月1日現在の民法887条、889条、890条、900条、907条にて、法定相続人の範囲や法定相続分が決まっています。
まず、被相続人(亡くなった人)の配偶者は必ず法定相続人となります。
また、そのほかの法定相続人は配偶者と一緒に法定相続人となりますが、その順位は決まっています。
法定相続人の順位は、被相続人の子ども(ただし、子どもがすでに亡くなっている場合は、子どもの直系卑属であるその子どもや孫などがこれにあたります。
しかし、その子どもである被相続人から見た孫もすでに亡くなっている場合は、より近い世代の子どもが優先されます)、次に子どもがいない場合は、被相続人の父母、もし父母が亡くなっている場合は祖父母となります(直系尊属といいます)。
そして、子どもも父母も祖父母もいない場合は、被相続人の兄弟姉妹が法定相続人となります。
このとき、注意が必要なのは3点です。
1点目は「相続を放棄した場合は、最初から相続人ではなかったとされるため、法定相続人であっても財産を相続することができなくなる」ことです。
そのため、相続放棄をする際は慎重に行うことが重要です。
2点目は「内縁関係にある人は、法定相続人にはなれない」ことです。
内縁関係にある場合、事実上の夫婦として、法律婚をしている夫婦と同じように法律上の義務が発生しますが、相続に関しては相続権が発生しないため、これに該当しません。
もし、内縁関係にある人に財産を相続させたいと思った場合は、被相続人が遺言書を作成し、内縁関係にある人に財産を相続させる旨の記載をしなければなりません。
3点目は「内縁関係にある人との間に子どもがいたり、隠し子(非嫡出子)がいたりした場合は、認知していれば法定相続人となりますが、認知していなければ、相続権が発生しないこと」です。
認知している場合は、嫡出子と同じように法定相続人となり、相続できる財産も子どもと同じ配分の2分の1となります。
しかし、一緒に住んでいる子どもであっても、被相続人が認知をしていなければ、相続権は発生しないため、財産を相続することができません。
このように、法定相続人の定義は民法で定められているため、被相続人にとって、自分が法定相続人となりうるのかということをまず確認する必要があるでしょう。
そして、法定相続人であることがわかった場合は、どのような配分で相続し、どのような手続きが必要であるかを知ることが重要です。
法定相続分と割合
法定相続分とその割合には、明確な決まりがあります。
これは、民法「第2節 相続分(法定相続分)第900条」に記載されています。
下記の表は民法「第2節 相続分(法定相続分)第900条」を元に作成しています。
「法定相続人と相続配分について」
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