すてきな相続は大切な方を亡くしたあとの手続・届出から、
知っているようで知らない「相続」に関する情報をわかりやすく解説します。

登録税理士
1122人
受付時間 / 10:00〜19:00
0120-052-993

相続対策

> 相続対策 > お金の相続
【お金の相続】

お金、現金の相続について説明しています。お金、現金を相続する場合の相続税の計算方法、銀行に預けた預金の相続、外貨の相続などについてまとめています。

最新記事

相続に備えて家族信託制度で財産管理!メリットと注意点とは?

みなさんは、家族信託という言葉をご存知ですか?

家族信託とは、民事信託とも言われ、家族の財産や生活を守る家族のための信託契約であり、相続対策として注目されています。

家族信託を活用して相続対策をすると、対象となる財産を自由に取り決めることができたり、資産継承まで可能となり、今まで相続対策としてできなかった対策が可能となります。

今回は、相続に備えて家族信託制度で財産管理を行うことについて、メリットと注意点についてご紹介します。

 

家族信託制度とは?

家族信託制度とは、預貯金や不動産など財産を持っている方の財産管理の方法で、家族や親族など信頼できる方に信じて財産を託すことです。

特に子どもや配偶者のために利用したい場合、信託の組み立て方やしくみを多く選択できるので、個々のニーズに合わせて活用することができます。

第三者を入れないで親族や家庭内で財産の管理ができるため、高額な報酬が発生せず誰にでも手軽に利用できるのが特徴です。

信託財産の範囲は、金銭、金銭債権、有価証券、動産、知的財産権、土地・建物といった不動産などがあります。

 

家族信託の仕組み

家族信託は、委託者と受託者と受益者の3者によって成り立ちます。

委託者は自分の財産を託す人、受託者は財産を託される人、受益者は利益を取る人です

対象となる財産をどんな目的で、どのようにして扱うのかという契約を交わします。

委託者と受託者が信託契約を結び、受託者が契約に基づき信託財産の処分・管理をおこないます。

そして、受益者に定期的に金銭などを交付するというのが、基本的な仕組みです。

ちなみに、委託者と受益者を同一人物とすることも可能です。

 

家族信託によって財産はどうなる?

家族信託を活用することで、受託者が財産管理を行えるようになります

例えば委託者が認知症などを患い、判断能力が低下してしまった場合。

その状態で多額の財産を自ら管理することは難しく、詐欺被害などにあう可能性もありえます。

家族信託を活用すれば、受託者が各種財産の管理・処分を行うことが可能になります。委託者に代わって財産の使いみちを決定することが出来るので、結果的に財産を守ることに繋がります。

 

家族信託が必要とされる理由

これまでは、「生前に資産を管理する場合は委任」、「認知症などで判断能力が低下してしまった場合は成年後見」、「相続が発生した際の資産は遺言」、などそれぞれの状況に応じて制度を活用する必要がありました。

複数の制度を使うことで複雑になってしまいますし、各制度も万能ではないので、柔軟な財産管理を行うのは難しいものでした。

特に成年後見制度は、財産を持つ人に代わって財産管理を行う点では家族信託に近いのですが、専任された後見人に多くの負担がかかったり、後見監督人に対する報酬が発生したり、何よりも財産の活用方法を柔軟に決定しづらいというデメリットがありました。

 

一方、家族信託の仕組みならば、従来からの制度の問題を回避しながら、本人や家族の希望を実現できるような柔軟な設計と運用が可能となります。

最新記事を見る
2019.6.22

未支給年金は相続の対象になる?相続税の対象にはなるのか?

日本全国において、「年金だけでは暮らせない」「年金をもらえるかわからない」等の懸念のため、人生100歳時代と言われる時代になりました。

年金の仕組みは複雑で、完全に理解できている方は多いとは言えません。

さらに、まだ年金が支給されずに亡くなった方の未払い年金は、相続において非常に複雑です。

この記事では、未支給年金を軸に、年金の種類と相続について詳しく解説していきます。

 

被相続人の年金は死亡後に受け取れる?

ここでは、「未支給年金」「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」「寡婦年金」「死亡一時金」等の被相続人が亡くなった後に受け取れる5つの年金について解説していきます。

年金を受けている方が亡くなったら、まずは年金事務所または年金相談センターに「年金受給権者死亡届(報告書)」を提出しなければなりません。

厚生年金は死亡日から10日以内、国民年金は死亡日から14日以内という提出期限がそれぞれ定められています。

日本年金機構にマイナンバーを登録している場合は、原則として、「年金受給権者死亡届(報告書)」の提出は不要となります。

 

未支給年金とは

未支給年金とは、故人が年金を受給する前に亡くなってしまった際の、未支給分の年金のことを言います。

未支給年金は、「年金を受給する前」や「年金を請求しないうちに」亡くなってしまった場合に、遺族が請求することができます。

年金は、2ヵ月に1度、2ヵ月分を偶数月に振り込まれます。

年金は通常「後払い」のため、年金を受給していた場合は必ず未支給年金が発生します。

従って、遺族が未支給年金を受給する場合は、遺族が各年金の期限内に請求手続きを行う必要があります。

 

未支給年金を受け取れる遺族

年金を受けている方が亡くなった際に、受け取りが完了していない年金や、亡くなった日付以降に振り込んだ年金のうち、亡くなった月の分までの年金は、未支給年金として、故人と生計を一にしていた遺族が受け取ることができます。

優先順位の高い方から、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、3親等内の親族、となります。

亡くなった方に一定の遺族がいる場合は、「遺族基礎年金」や「遺族厚生年金」の受給対象となります。

 

遺族年金とは

遺族年金とは、国民年金法と厚生年金保険法に基づいて、被保険者が亡くなった際に、遺族が受給できる日本における公的年金のことを言います。

現在は「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」が遺族年金として活用できます。

一家の大黒柱を失った場合に家族の暮らしを支えるのが、遺族年金の役割です。

従来、遺族年金を受給できる人は、「子がいる妻」「子」に限られており、夫は受給の対象外でしたが、現在は「子がいる妻」から「配偶者」に変更され、父子家庭も対象となりました。

遺族基礎年金と遺族厚生年金の違いは、「支給対象者の範囲」「支給期間」「支給金額」の3つです。

 

遺族基礎年金

遺族基礎年金の「支給対象者」は、国民年金加入中の方が亡くなった際、その方による生計維持関係にあった「18歳未満の子(障害の状態にある場合は20歳未満)がいる配偶者」または「子」と定められています。

「支給期間」は、配偶者は子が18歳まで(障害のある場合は20歳まで)、子は18歳まで(障害のある場合は20歳まで)というように 支給期間に制限があります。

遺族基礎年金の「支給金額」は「定額」で、子供の人数によって基本額に加算されます。

 

遺族厚生年金

遺族厚生年金は、被保険者中、あるいは被保険者が亡くなった際に、故人による生計維持関係にあった方々が「支給対象者」となります。

従って、「妻、子、孫(18歳到達年度の年度末を経過していない方、または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の方)、55歳以上の夫、父母、祖父母(60歳から支給開始だが、夫が遺族基礎年金を受給している場合、遺族厚生年金も合わせて受給することが可能)」等の方々が当てはまります。

また、遺族厚生年金の「支給期間」原則として、期間制限がありません。…

column
2019.6.16

お金の相続まとめ【随時更新】

今まで相続を経験された方の中で、「お金を相続した」という経験を持っている方は多いことでしょう。

「お金」といっても、現金や保険金、預金、ローンなど形態は様々です。

そのためお金の相続については、その形態ごとにどのような処理が適切かを知っておくべきです。

この記事ではお金の相続について、お金の形態や状況ごとに説明している記事をまとめました。

 

現金の相続

お金の相続というと、現金の相続をイメージされる方は多いのではないでしょうか。

不動産や、美術品・骨董品などの価値のあるモノは所有していませんが、現金なら所有している、という方も多いでしょう。

それだけ現金の相続は誰にでも起こりえる相続なのです。

現金を相続する場合、相続人が複数いても不動産や骨董品などのモノに比べて分割しやすく、相続税の支払にも現金化するという手続きを経る必要がないため、相続人の負担の少ない相続になりやすいです。

現金の相続には相続しやすいメリットがある一方で、相続税が高くなる可能性があるというデメリットもあります。

※関連記事

現金は相続税が高くつくケースが多い?

 

銀行預金の相続

銀行に預金を持っている方は多いと思います。

そのため銀行預金の相続を経験する方も多く、相続では避けては通れない相続とも言えるでしょう。

しかし相続人の銀行口座について、どの銀行にいくつ口座を持っているのか、どのくらいの預金があるのか、通帳やキャッシュカードの保管場所、引き落としの有無など、しっかり把握した上で相続に臨む方は少ないです。

被相続人が亡くなった場合は、被相続人の契約している口座をまずは凍結し、遺産分割協議を行う必要があります。

しかし口座の凍結の段階で前述したような銀行に関する情報把握が難しく、頭を抱える相続人も珍しくはありません。

被相続人が生前のうちに相続人と情報を共有したり、遺言書に情報をまとめておいたりした方が良いでしょう。

※関連記事

銀行で預金の相続をするために知っておきたい基礎知識

 

保険金の相続

生命保険も現金といえば現金ですが、被相続人が亡くなった後に支払われるという特徴があり、被相続人の財布や銀行口座などに入っている現金を相続するのとは異なります。

また被相続人から相続人に直接相続されるお金ではなく、保険会社が保険金の受取人に支払うお金であるため、相続ではありません。

しかし、死亡保険金は原則「みなし相続財産」として扱われるため、相続税の対象になります。

ただし、保険金は誰かが亡くなったときにその家族などがその後の生活を保つことを目的に契約されているケースが多く、家族などの生活を守るために非課税枠がある場合もあります。

保険金を受け取る場合は、非課税枠について、その計算方法などについて把握しておくべきです。

※関連記事

保険金を相続した場合に相続税はかかる?

 

退職金の相続

まだまだ働き盛りでありながら、事故や過労、病気などで定年前に亡くなってしまう方もいらっしゃいます。

家族がいる場合は、一大事です。

残される家族にはできるだけお金を遺してあげたいと考える方も多く、貯蓄したり、保険を契約したりされている方も多いでしょう。

そこで見逃してはいけないのが退職金です。

本来であれば定年や転職まで働き、会社を辞める際に手にする退職金ですが、当人が亡くなってしまった場合は死亡退職金として遺族に支払うことにしている会社も存在します。

勤めている会社が死亡退職金を支払う企業であれば、生前のうちに家族に伝えておくといいでしょう。…

2019.2.26

被相続人の高額療養費も課税対象となる

高額療養費は、高額な治療を受けなければならない人々にとっては、重要な制度の1つです。

高額療養費があることで、高額な医療費を支払っている人が持続して治療を受けられる環境を得続けることが可能となります。

ですが、もし、高額療養費に該当するような治療を受けている本人が亡くなってしまった場合、本来その人が受け取るはずだった高額療養費はどのように取り扱われるのでしょうか?

また、高額療養費は被相続人の財産として相続することができるのでしょうか

高額療養費の詳細をはじめ、被相続人の高額療養費の取り扱いについて、詳しくご紹介いたします。

相続財産について

相続財産には、預貯金や不動産、収集品や権利などのプラス財産と、借金や未払い金などマイナス財産の2つがあります。

相続財産を相続人が相続する場合、プラス財産が多い場合は、すべてを無条件で相続する単純承認という相続方法で相続することが一般的ですが、相続財産の中で相続したいものがありながら、借金などの負債がある場合、相続した財産を上限として負債も相続する限定承認、マイナス財産の方が多い場合や特定の相続人の1人に財産を相続させたいときに選択する相続放棄といった相続方法を選ぶこともできます。

相続財産の場合、基礎控除を受けることが可能なので、相続財産に相続税が課せられるときは、この基礎控除が差し引かれた後の相続財産になります

また、相続財産は、課税対象となるものと課税対象にならないものの2つに分けることかできるので、財産を相続するときには、どんなものに相続税がかかり、どんなものに相続税がかからないのかということを把握しておくことが大切です。

課税対象となる相続財産

被相続人から財産を相続した場合、基本的にすべての相続財産が課税対象になります。

たとえば、下記のものが相続財産の中で課税対象になるものの一部に該当しています。

  • 農地や山林も家屋や駐車場などの不動産
  • 貴金属や宝石、骨董品や自動車などの動産
  • 著作権やゴルフ会員権、商標権などの権利
  • 機械や備品、売掛金や商品などの事業用財産

また、上記のこれら以外にも、被相続人が亡くなる3年以内に贈与された財産や死亡保険金なども課税対象なります

ただし、死亡保険金が課税対象なる場合は、被相続人が保険料を全部または一部を負担している場合に限ります。

また、死亡保険金の場合は下記の計算式によって、課税額を算出します。

死亡保険金(相続人1人あたり)-非課税限度額×死亡保険金の合計(すべての相続人合計)÷死亡保険金(相続人1人あたり)=課税される死亡保険金(相続人1人あたり)

このように、多くのものは相続した段階で課税対象としてみなされます。

非課税となる相続財産

非課税となる相続財産とは、つまり「相続税がかからない相続財産である」ということです。

非課税となる相続財産には下記の財産が挙げられます。

  • 日常的に礼拝をしているもの(墓地や墓石、仏壇や仏具、神を祭る道具など)

※ただし、投資の対象となりうる骨董的な価値があるものや商品として所有しているものの場合には、相続税がかかります。

  • 宗教や慈善、学術やその他公益を目的とする事業を行う一定の個人などが相続や遺贈によって取得した財産であり、なおかつ、公益を目的とする事業に使われることが確実なもの
  • 地方公共団体の条例によって、精神や身体に障害のある人、またはその人を扶養する人が取得する心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利
  • 相続によって取得したとみなされる生命保険金のうち500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分

※生命保険の負担者が相続人であった場合は、生命保険金に相続税はかかりませんが、所得税がかかります。

  • 相続や遺贈によって取得したとみなされる退職手当金等(退職手当金や功労金、その他のこれらに準ずる給与)のうち500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分

※被相続人が亡くなった後、3年以内に支給された退職手当金等は、相続税の課税対象となります。…

2019.2.26

外貨の相続財産にかかる相続税とは

近年は資産の種類が多様化し、外貨預金など外貨建て資産を遺産として相続することも珍しくなくなりました。

外貨建て資産の相続については、円貨の資産相続の場合とは異なり、外貨を円貨に換算してから相続税を計算しなければならないなど、手間が増えます。

また、円貨に換算するプロセスにおいても細かな決まりごとがあります。

本コンテンツでは、外貨建て資産を相続することになった人向けに、相続税の基礎および外貨建て資産の相続税を計算するポイントを、具体例を交えご説明します。

相続税とは

相続税とは、被相続人から相続または遺贈(遺言の指定により遺産を取得すること)によって遺産を取得した個人に対し、その取得した遺産の額に応じて課される国税です

相続税の納税義務者は、被相続人が死亡し相続が発生してから10ヶ月以内に、税務署へ相続税を申告・納付する義務を負います。

なお、相続税は遺産を相続したすべての相続人に対して課されるわけではありません。

後述する基礎控除や配偶者の税額軽減など、各種の控除可能額を超えた部分に対して相続税が課税されます。

また、相続税はすべての遺産に対して課されるわけではなく、以下のように相続税が課される遺産と課されない遺産に分類されます。

相続税が課税される財産の例

・土地、借地権、地上権、家屋などの不動産
・預貯金、有価証券などの金融資産
・絵画、高級家具、立木などの家庭用財産
・事業用、農業用の財産
・生命保険金や死亡退職金などのみなし相続財産
・相続時精算課税制度の適用により被相続人から贈与を受けた財産
・被相続人から相続開始前3年以内に贈与を受けた財産
・その他、ゴルフ会員権や債権など

相続税が課税されない財産の例

・墓地、墓石、仏具、仏像、仏壇などの祭祀財産(ただし、骨董品や投資対象の品は相続税の課税対象)
・心身障害者救済制度に基づく給付金の受給権
・相続税の申告期限までに、特定公益信託の信託財産とするために支出した金銭
・相続税の申告期限までに、国や地方公共団体、特定の公益法人などへ寄付した財産
・公共事業を行う人が相続し、引き続き公益事業のために使用することが確実と認められる財産

外貨は円換算する必要がある

相続税を計算する場合、外貨は円貨に換算したうえで相続財産評価額としなければなりません

具体的には、国内通貨と外国通貨の交換比率である為替レートを外貨建て資産に乗じ、円貨に換算します。

為替レートは外国為替に対する需要と供給によって日々変動しますが、相続において用いる為替レートは相続が発生した日、すなわち被相続人が亡くなった日の為替レートとなります。

仮に相続が発生した日から円高トレンドになったとしても、相続が発生した日以外の為替レートを用いて相続税評価額を計算することはできません。

また、仮に相続が発生した日が休日などのため為替レートが公表されていなかった場合は、相続が発生した前の日のうち、最も近い日の為替レートを用います。

相続で用いる為替レートは、…

2019.2.26

相続時に仮想通貨がある場合はどうなる?!

最近では、知らない人がいないほど、世間では仮想通貨という言葉が認知されています。

仮想通貨を巡るさまざまな問題が起こったり、仮想通貨で大儲けをする人や損失を出してしまう人がいたり、何かと話題になっています。

そして、仮想通貨が注目を集めるようになって、一つの問題が浮上しました。

それは「仮想通貨は相続財産に含まれるか、含まれないか」ということです。

もし、被相続人が仮想通貨を所有しており、相続人が財産を相続するといった場合、その仮想通貨が相続財産に含まれるか含まれないかによって、相続税などに影響が出ることが考えられます。

では、被相続人が仮想通貨を所有していた場合、どのような対応が必要になるのでしょうか?

相続財産の中に仮想通貨があったとき、必要になることについてご紹介いたします

相続とは

相続とは、被相続人が亡くなり、相続人が被相続人の財産を相続することを知った日から開始されるものです。

相続する場合、現金や預貯金、土地や貴金属などのプラス財産だけでなく、借金や未払い金などのマイナス財産も相続することになります。

また、相続方法には3種類あり、プラス財産もマイナス財産も関係なく、財産のすべてを相続人が相続する単純承認、相続財産の中にマイナス財産があるものの、相続したいプラス財産がある場合に、相続した財産を上限として負債も相続する限定承認、すべての財産の相続を放棄する相続放棄があります。

これら3つの相続方法は、民法(相続の承認又は放棄をすべき期間)第915条において、相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に、どの相続方法を選択するか決めなければならないということが定められています。

相続の対象となる財産

財産には、相続の対象となる財産相続の対象にならない財産の2種類が存在しています。被相続人の財産を相続すると、控除を超えた分の財産には相続税が課税されるので、相続の対象になる財産であるのか、相続の対象にならない財産であるかを知っておく必要があります。

相続対象となる財産

相続対象となる財産には、下記のようなものが該当します。

  • 現金
  • 預貯金(銀行などに預けられている現金)
  • 株式や国債、小切手や手形などの有価証券
  • 土地や建物、山林や畑などの不動産
  • 宝石や貴金属、骨董品や衣類などの収集品
  • 自動車や家財道具などの動産
  • 機械や原材料、備品などの事業用の財産
  • 著作権やゴルフ会員権の権利
2019.2.26

お金を相続したときの相続税はいくら?

被相続人(亡くなった方)から相続人の方へ財産を受け継いだとき、その金額に応じてかかってくるのが『相続税』です。

相続税の計算については、家族構成のパターンに応じた速算表を掲載しているWebサイトもありますが、その多くが法定相続割合のみを考慮しただけのものです。

各相続人の相続税額は、遺産分割協議の結果による実際の分割割合や特別受益の有無、相続時精算課税制度の活用の有無などに応じても変わるため、速算表だけでは正確な計算はできません。

相続税の金額計算にあたっては、自分自身で法律をベースにした基本的な知識をつける必要があるのです。

今回は、財産を相続することになった場合の相続税の計算に関する基本とシミュレーションをご紹介します。

そもそも相続とは

相続財産とは

相続とは、被相続人が亡くなったときに相続人が被相続人の財産を引き継ぐことです。

そして相続財産とは、文字通り相続時に引き継がれる財産のことです。

相続対象となる財産には、預貯金や不動産のようなプラスの財産だけではなく、借金や未払金などのようなマイナスの財産も含まれます。

被相続人が先代から引き継ぎ大切に守り育ててきた財産、一代でこれまで築き上げてきた財産は、いずれ親族など相続人たちに引き継がれていくのです。

法定相続分で配分が決まる

被相続人の相続人には民法の欠格事項や廃除要件に該当しない限り基本的に誰でもなることが可能ですが、それでは相続人の地位や相続割合をめぐり収拾がつかない事態も想定されます。

そこで、相続人になれる人の目安のひとつとして、民法第887条、第889条および第890条の規定で定めた相続人が「法定相続人」です。

具体的には、被相続人の配偶者(内縁関係や愛人関係を除く)・子(養子を含む)または孫・親・兄弟姉妹が法定相続人とされており、相続発生時の遺産相続に対する優先権はこの順番通りになっています。

また民法の規定において法定相続人と認められるのは、血の繋がりがある直系の家族である「血族」です。

このため、義理の親や義理の兄弟姉妹などとよばれる人たちは法定相続人に該当しません。

なお、上記に該当せず被相続人と血縁関係の無い特定の第三者である場合でも、被相続人が遺言で特定の人に財産を譲る旨の意思表示をしていた場合、その人は「受遺者」として相続人になります。

また、「被相続人が死亡したら、その遺産を特定の人に無償で譲る」旨の死因贈与契約を契約していた場合、その人は「受遺者」として相続人になります。

このように、相続人の範囲は広いのです。

続いて、法定相続割合についてみてみましょう。

法定相続割合については、民法第900条にて定められています。

参考:民法第900条
「同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一  子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二  配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三  配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四  子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。」

民法900条における法定相続分は、被相続人が遺言によって相続分を指定していない場合に適用されるものです。これは民法第902条第1項に記載されています。

参考:民法第902条第1項
「被相続人は、前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。」

また、同条第2項「被相続人が、共同相続人中の一人若しくは数人の相続分のみを定め、又はこれを第三者に定めさせたときは、他の共同相続人の相続分は、前二条の規定により定める」にあるとおり、遺言で共同相続人の一部の相続分しかされていない場合に、他の共同相続人の相続割合について定めるものと考えられます。…

2019.2.25

相続をしたときに所得税はかかる?

相続が発生したときに支払うべき税金について、所得税と相続税を混同している人が時々いらっしゃいます。

確かに相続人は所得税と相続税の両方、またはいずれかを支払うことになる場合が多いのですが、相続における所得税は被相続人(亡くなった人)の生前の所得に対して課されているもので、遺産を相続したことに対して課される相続税とは全くの別物です。

本コンテンツでは、所得税の基本からご説明しながら、相続における所得税の扱いについてご説明します。

所得税とは

所得税とは、課税対象となる収入から必要経費を差し引いた個人の「所得」に対して課される国税です。

所得税は、年間2,000万円を超えない会社員の給与所得であれば、基本的に毎月の給与から源泉徴収され最終的な金額は年末調整により確定します。

これに対して、源泉徴収されない所得については確定申告を行い納税額を確定させてから納付します。

所得の区分

所得税の課税対象となる所得は、以下の10種類です。
給与所得…俸給、給料、賃金、歳費および賞与ならびにこれらの性質を有する給与
退職所得…退職手当など、その他の退職により一時的に受ける給与およびこれらの性質を有する給与
利子所得…公社債や預貯金の利子、合同運用信託などの収益分配金
配当所得…法人から受け取る剰余金や利益の配当および分配、投資信託などからの収益分配金
不動産所得…不動産および不動産の上に存する権利、船舶や航空機などの貸付による所得
事業所得…農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業などの事業から生じる所得
山林所得…山林を伐採して譲渡し、または立木のまま譲渡したことによる所得
譲渡所得…資産の譲渡による所得
一時所得…賞金、競馬の払戻金、保険の満期返戻金など、上記以外の所得のうち営利を目的とした継続的行為から生じた所得以外の一時所得であり、労務その他の役務の対価または資産の譲渡の対価としての性質を有しないもの…

2019.2.25

不動産を相続した場合に固定資産税の納税者は誰になる?

多くの相続事例で、不動産が遺産に占めるウェイトはきわめて高いものがあります。

不動産は現預金や有価証券などの金融資産と異なり個別性が強く、不動産の種類や相続人の状況に応じて相続手続きに時間がかかりやすい資産です。

また、不動産を相続したあとは固定資産税が発生するため、相続するか否か、あるいは相続したら売却するか否かなど、様々な見極めも必要になってきます。

本コンテンツでは不動産を相続する場合における流れや留意点、さらに固定資産税の取り扱いについてご説明します。

不動産の相続

不動産の相続手続きは、後述する遺産分割協議で相続人を決め、相続登記により被相続人から名義人を変更し、当該不動産に対する相続税を申告・納付することで終わります。

不動産に関する一連の相続手続きで大きなポイントとなるのが、不動産の相続税評価です。

相続税を計算するために相続対象の不動産の価額を評価するに際しては、国税庁による「財産評価基本通達」による方法で行います。

そして、その評価方法は不動産の種類によって異なります。平成31年1月現在における、相続税を計算するための主な不動産の評価方法は次のとおりです。

宅地

<自用地(自分で使っている土地)>
市街地およびその周辺の土地であれば路線価方式:路線価×各種補正率×土地面積

それ以外は倍率方式で評価:土地の固定資産税評価額×倍率

<貸宅地(貸している土地)>
自用地の評価額×(1-借地権割合)

 ・路線価方式:路線価×各種補正率×土地面積×(1-借地権割合)

 ・倍率方式:土地の固定資産税評価額×倍率×(1-借地権割合)

<貸家建付地(貸家が建っている土地)>
自用地の評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

 ・路線価方式:路線価×各種補正率×土地面積×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
 ・倍率方式:土地の固定資産税評価額×倍率×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

被相続人が自宅・店舗・事務所などとして使っていた宅地を受け継ぐ場合、宅地の価格を一定の面積までは最大80%減額して評価する小規模宅地等の特例制度があります。

自宅の敷地のうち330平米(100坪)までの部分が80%減額されます。

宅地を受け継いだ後には固定資産税も払っていく必要があります。

相続税に目が行きがちですが、評価額の高い宅地であれば、高額な固定資産税が課されることもあることを頭の片隅に置いてください。

借地権

主な借地権の評価方法は、次の2つです。

<借地権(借りている土地の使用権)>
 自用地の評価額×借地権割合

 ・路線価方式:路線価×各種補正率×土地面積×借地権割合
 ・倍率方式:土地の固定資産税評価額×倍率×借地権割合

<貸家建付借地権(貸家が建っている借地)>
 自用地の評価額×借地権割合×(1-借家権割合×賃貸割合)

 ・路線価方式:路線価×各種補正率×土地面積×借地権割合×(1-借家権割合×賃貸割合)
 ・倍率方式:土地の固定資産税評価額×倍率×借地権割合×(1-借家権割合×賃貸割合)

被相続人の借地権は、地主の承諾に関係なく、ほかの財産と同様に相続人に受け継がれます。

2019.2.25

相続時の死亡功労金の扱いはどうなる?

死亡功労金は相続において特殊な財産の部類に入るため、一定の知見を得ておくことは今後の相続手続きを円滑に進めるうえで有用です。

本コンテンツでは、在職中であるにもかかわらず、不幸にもご家族が亡くなり、死亡功労金が入った人向けに、相続における死亡功労金の考え方や相続税の計算方法、および死亡功労金の相続事例についてご紹介します。

死亡功労金(死亡退職金)とは

一般的に、死亡功労金とは退職金規定のある企業や役所等に勤務している役職員が在職中に死亡した場合、その死亡により役職員としての地位は失うものの、生前の勤続年数や役職等に応じて勤務先から支給されるものです

役職員の死亡を理由として支給されるものであれば、金銭に限らず物品で支給されたものも死亡功労金として考慮されます。

ただし、退職金規定があっても、役職員が死亡した場合は死亡功労金として支給せず、遺族には弔慰金などの名目で支給する企業や役所等もあります

なお、故意の犯罪行為により死亡功労金の給付対象者を死亡させた遺族、または死亡功労金給付対象者が死亡する前に、その者の死亡によって遺族給付金を受けるべき遺族を故意の犯罪行為により死亡させた者に対しては、死亡功労金は支給されないことが一般的です。

これは続欠格の該当事項を定めた民法第891条を準用していると考えられます。

また、被相続人が生前に自己の故意の犯罪行為ないし重大な過失により、死亡または死亡の原因となった事故を生じさせた場合であれば、死亡功労金は不支給または大幅減額となることが一般的のようです。

続いて、死亡功労金の性質や相続における考え方をみてみましょう。

そもそも退職金とは、雇用者と被用者の労働契約関係が終了した場合に雇用者側から被用者側に支払われる金銭であると広く理解されています。

また、学術的に退職金の性質そのものを考えると雇用契約終了時までの「賃金の後払い説」、雇用者が被用者の雇用期間中の労に報いるための「報奨金説」に分かれますが、いずれにせよ受取人固有の財産とされます。

これに準じ、被用者つまり被相続人(亡くなった人)の死亡を雇用者つまり勤務先との労働契約関係の終了事由とし、それに基づき支払いが発生する死亡功労金については、勤務先は被相続人の遺族の生活保障を目的に支払っていると考えられているため、「相続財産」ではなく「受取人である遺族固有の財産」と捉えます。

このため、遺産分割協議(相続財産についての分割方法・割合について、相続人の間で話し合って決めること)は不要とすることが一般的とされています

なぜなら、遺族に死亡功労金の支給がある以上は、勤務先に死亡功労金を支給する根拠となる退職金規定があるはずです

また、死亡功労金を遺族の誰に対して支払うかについては、勤務先の退職金規定次第ですが、死亡功労金は法定相続人としての第一順位にある配偶者に対して支給され、配偶者がいない場合は子どもや両親など、相続順位に従って支給するとしている企業や役所が多いようです。

このように、退職金規定は受給権者の範囲・順位などが民法と著しく異なる定め方がなされている場合が多く、特に一般企業においては顕著です。

また、一般的に死亡功労金の規程は生計について専ら亡くなった人に依存していた遺族の生活保障を目的として「民法とは別の立場で受給権者を定めたもの」であると解されることから、受給権者である遺族は相続人としてではなく、勤務先における退職金規程の定めにより直接これを自己固有の権利として取得するものとされているからです(最判昭60.1.31)。

死亡功労金の相続税

課税対象となる死亡功労金

死亡功労金に課税されるのは所得税?相続税?

先述のとおり、被相続人の死亡を原因とする退職によって支給される死亡退功労金は、被相続人の生前の功労に対する報酬の性質または未払い賃金の後払いという性質を含むという考え方があります。

これに立脚すれば、遺族にとって死亡功労金は相続財産と考えられます。

しかし、死亡功労金は基本的に遺族の生活保障を目的として被相続人の勤務先から勤務先から支払われる性質ものということが税務上の取り扱いとして一般的な解釈です。

したがって、死亡功労金は相続財産ではなく、「遺族など受取人固有の財産」と位置づけられています。…