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お金、現金の相続について説明しています。お金、現金を相続する場合の相続税の計算方法、銀行に預けた預金の相続、外貨の相続などについてまとめています。
相続に備えて家族信託制度で財産管理!メリットと注意点とは?
みなさんは、家族信託という言葉をご存知ですか?
家族信託とは、民事信託とも言われ、家族の財産や生活を守る家族のための信託契約であり、相続対策として注目されています。
家族信託を活用して相続対策をすると、対象となる財産を自由に取り決めることができたり、資産継承まで可能となり、今まで相続対策としてできなかった対策が可能となります。
今回は、相続に備えて家族信託制度で財産管理を行うことについて、メリットと注意点についてご紹介します。
家族信託制度とは?
家族信託制度とは、預貯金や不動産など財産を持っている方の財産管理の方法で、家族や親族など信頼できる方に信じて財産を託すことです。
特に子どもや配偶者のために利用したい場合、信託の組み立て方やしくみを多く選択できるので、個々のニーズに合わせて活用することができます。
第三者を入れないで親族や家庭内で財産の管理ができるため、高額な報酬が発生せず誰にでも手軽に利用できるのが特徴です。
信託財産の範囲は、金銭、金銭債権、有価証券、動産、知的財産権、土地・建物といった不動産などがあります。
家族信託の仕組み
家族信託は、委託者と受託者と受益者の3者によって成り立ちます。
委託者は自分の財産を託す人、受託者は財産を託される人、受益者は利益を取る人です。
対象となる財産をどんな目的で、どのようにして扱うのかという契約を交わします。
委託者と受託者が信託契約を結び、受託者が契約に基づき信託財産の処分・管理をおこないます。
そして、受益者に定期的に金銭などを交付するというのが、基本的な仕組みです。
ちなみに、委託者と受益者を同一人物とすることも可能です。
家族信託によって財産はどうなる?
家族信託を活用することで、受託者が財産管理を行えるようになります。
例えば委託者が認知症などを患い、判断能力が低下してしまった場合。
その状態で多額の財産を自ら管理することは難しく、詐欺被害などにあう可能性もありえます。
家族信託を活用すれば、受託者が各種財産の管理・処分を行うことが可能になります。委託者に代わって財産の使いみちを決定することが出来るので、結果的に財産を守ることに繋がります。
家族信託が必要とされる理由
これまでは、「生前に資産を管理する場合は委任」、「認知症などで判断能力が低下してしまった場合は成年後見」、「相続が発生した際の資産は遺言」、などそれぞれの状況に応じて制度を活用する必要がありました。
複数の制度を使うことで複雑になってしまいますし、各制度も万能ではないので、柔軟な財産管理を行うのは難しいものでした。
特に成年後見制度は、財産を持つ人に代わって財産管理を行う点では家族信託に近いのですが、専任された後見人に多くの負担がかかったり、後見監督人に対する報酬が発生したり、何よりも財産の活用方法を柔軟に決定しづらいというデメリットがありました。
一方、家族信託の仕組みならば、従来からの制度の問題を回避しながら、本人や家族の希望を実現できるような柔軟な設計と運用が可能となります。…
