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【相続税 】
相続税について説明しています。相続税は相続する人物、相続の対象、評価額などによって納税の有無や納税額が異なります。また相続税を抑えるための対策もあります。相続税についての知識を得て、しっかり相続税対策を行いましょう。

2019年2月28日 木曜日

相続税の節税にもなる?!小規模宅地等の特例を知っておく

本コンテンツでは、小規模宅地等の特例についてご紹介します。

小規模宅地等の特例は不動産の相続税評価における代表的な控除制度であり、これを上手に使うことで相続税を大きく引き下げることも期待できます。

ただし、小規模宅地等の特例は適用要件が細かく決められており多少複雑ですが、これについて本コンテンツでは噛み砕いてご説明していきます。

相続についておさらい

「遺産相続」とは、亡くなられた方(被相続人)の財産を相続人が受け継ぐことをいいます。

法で定められた法定相続人以外の人が、遺言などで財産を受け継ぐ場合には「遺贈」といいます。

さて、遺産相続をする際には、相続税が課せられると誰もが思うところでしょうが、実は違います。

相続税には「基礎控除」が設けられており、それを超えた相続財産に対して相続税が課せられるのです。

「そういうことなら、うちはたいした財産を持っていないから相続税なんて関係ないわ」とお思いかもしれませんが、ご自宅は所有されていませんか?

ご自宅などの不動産も財産の一部です。

本記事では、相続についてお知らせしながら、特にご自宅の相続税を大幅に減額することができる「小規模住宅の特例」についての知識を深めていきます。

相続税とは?

先に、遺産に相続税がかかるのは、基礎控除額を引いてからとお伝えしました。

その計算式は以下です。

<相続税の基礎控除の額を求める式>
3千万円 + 600万円 × 法定相続人数

この計算で求めた値よりも、相続財産額が低かった場合は、相続税が課されませんのでご安心ください。

相続財産となるもの

相続税の基礎控除額を求めるのは簡単ですが、実は相続財産を探し、その価格を評価するのに時間と手間がかかるのです。

相続財産には、預貯金や株券、宝飾品、不動産などさまざまなものが含まれますが、負債も含まれることには注意が必要です。

また、目には見えない著作権や肖像権など、さまざまな権利も相続財産に含まれます。

相続財産となるものを事前にしっかり調べて、いざというときに備えおきましょう。

相続の流れ

被相続人の亡き後、遺言書があれば、基本は遺言通りに相続をしていきます。

遺言書がなかった場合は法定相続人全員が集い、遺産分割協議を開き、分配について協議します。

相続財産が預貯金であれば、簡単に分配することができますが、不動産などでは現物を相続する場合もあれば、売却して現金化してから分割することもあり、相続にかかる時間は変わってきます。

また、相続がまとまれば、それぞれの名義変更についての手続きが必要となってきます。

相続税が課されるだけの財産を相続する場合には、相続が始まってから10カ月以内に相続税の申告・納付をする必要があるので、スピーディーに作業していくことが大切です。

小規模宅地等の特例について

小規模宅地等の特例とは

小規模宅地等の特例とは、被相続人(亡くなった人)が居住や事業に用いていた土地について、土地の使用方法や相続人の状況など一定の要件を満たすことで相続税を計算する根拠となる「相続税評価額」を、最大で80パーセントまで減額できる制度です。

つまり、相続税評価額が減額された分だけ相続人が納めなければならない相続税が安くなるという、非常にお得な制度です。

被相続人と同居または被相続人が所有する土地などで事業を営んでいた家族にとって、遺された不動産は今後の生活を送るうえで大変重要な資産です。

この相続税が、何も減額されることなく自用地評価として最大限の税額となった場合、その支払いのために相続人など遺族の生活が立ち行かなくなるな可能性があります。

ややもすると、相続税納税の資金を確保するために足元を見られた価額で売却せざるを得ないことになり、相続人は今後の住居や生活の糧を得るための事業用不動産を失うことにもなりかねません。

本特例は、そのような事態に相続人などの遺族が陥らないようにするための救済策のひとつでもあるのです。

小規模宅地等の特例を使う要件

小規模宅地等の特例の対象は主に建物を建てるためなどに用いられる「宅地」であり、建物については適用対象となりません。

なお、仮に土地への権利形態が借地権である場合でも本特例は適用対象となります。

そして、その土地の上に建っている建物が大きく分類して居住用か、あるいは事業用であるかにより、本特例適用に伴う相続税評価額の減額割合は異なります

ただし、建物付きの土地であれば本特例が適用されるわけではありません。

また、遺産分割協議(相続人がどのような割合で遺産を分割するか話し合いで決めること)が整わない未分割の場合も、本特例の適用は受けられません。

本特例の適用対象は、亡くなった方の親族などの相続人です。

しかし、相続人であれば誰でも適用対象となる訳ではなく、税務上の土地の区分によりいくつかの要件があります。

小規模宅地等の特例の対象となる土地は、特定居住用宅地等・特定事業用宅地等・特定同族会社事業用宅地等・貸付事業用宅地等の4つです。

以下で土地の種類ごとの適用要件をみてみましょう。

特定居住用宅地

税務上、居住用の宅地は「特定居住用宅地」といいます。

小規模宅地等の特例は所有権だけでなく、借地権付きの土地や分譲マンションであっても適用され、相続税申告期限後に相続人が居住しなくても適用されます。

ただし、「特定居住用宅地」として小規模宅地等の特例の適用はあくまで居住用の土地に限定されますので、親族などの被相続人以外に賃貸していた場合は適用対象外となります。

ただし、先述したとおり小規模宅地等の特例は高額の相続税課税により、相続人が生活の基盤である住居や事業用不動産を失うことが無いように配慮することが目的です。

したがって、無くても生活に支障が出ないようなセカンドハウスや別荘は、小規模宅地等の特例の適用を受けることはできません。

相続人については、原則として亡くなった人と相続人が同一生計で生活していたことが必要です

同一生計とは、ひとつの家に住んでいる人全員がひとつのお財布で生活しているものとご理解ください。

税務署が同一生計であると認めるためには、住民票の記載から同一の世帯と認められること、電気代や水道代などが同一世帯として請求され、ひとつの口座などから支払われていることなどが必要です。

また、特定居住用宅地として小規模宅地等の特例を受ける場合は、原則として被相続人と相続人が対象土地上の建物で同居していたことが必要です。

たとえ、同じ土地に建っている建物であっても分譲マンションのように別々に登記されており、実態は被相続人と相続人が別々に居住していたような状態では、本特例の適用を受けることは難しくなります。

なお、上記はあくまで原則論です。

仮に被相続人と別居していたとしても当該相続人が被相続人からの仕送りなどで生計を立てていた場合、あるいは被相続人が老人ホームに入居して亡くなった場合でも当該被相続人が介護保険法の適用対象者かつ転居した老人ホームが無届け老人ホームで無いことを前提に老人ホームへの転居前に同居していた相続人であれば、小規模宅地等の特例の適用は受けられます。

また、いわゆる「家なき子特例」として、被相続人と同居していない親族でも相続発生時までに相続人またはその配偶者が自宅を所有していないことなど一定の要件を満たせば例外的に相続する土地を特定居住用宅地とし、小規模宅地の特例による相続税評価の減額を認められる場合があります。

特定事業用宅地等

特定事業用宅地等とは、被相続人が生計を立てるために何らかの事業を行うために用いていた土地のことです。

ただし、アパートや賃貸駐車場など土地または建物の「貸付事業」は該当しませんので、ご注意ください。

一方で、郵便局(日本郵便株式会社)に貸していた場合は例外的に本特例の適用対象となります。

事業を営んでいた土地が本特例の適用を受けるためには、相続税申告期限まで事業を引き継ぎ且つ事業を営んでいること、当該土地を第三者に譲渡していないことが条件となります。

特定同族会社事業用宅地等

特定同族会社事業用宅地等とは、亡くなった人およびその親族などが議決権総数のうち50パーセント超を保有している法人が用いている土地について適用されます。

事業の主体が法人格を持つか否かで、特定事業用宅地等と区別されます。

なお、事業内容について土地または建物の貸付事業が該当しない点は、特定事業用宅地等と共通しています。

適用の要件としては、相続税の申告期限までに相続人が当該法人の役員であること、当該土地を第三者に譲渡していないことが挙げられます。

貸付事業用宅地等

貸付事業用宅地等には、アパートや駐車場など不動産賃貸業に用いていた土地が該当します。

適用の要件としては、被相続人の相続開始の日までに3年を超えて事業的規模(貸家5軒以上・アパート5室以上・貸駐車場50台以上)で貸付事業を行っていたこと、相続税の申告期限までに相続人が不動産賃貸業などの貸付事業を継続していること、当該土地を第三者に譲渡していないことが挙げられます。

また、平成30年の税制改正で相続人が不動産賃貸業などの貸付事業を被相続人から引継ぎ相続税の申告期限までに継続していることが新たに要件に加えられました。

なお、土地の上に建物が建っていることが適用要件になるわけではありません。

何らかの舗装がされていれば、露天の駐車場でも本特例の適用対象となります。

小規模宅地等の特例での相続税減額割合

小規模宅地等の特例における相続税評価額の減額割合および限度面積は、以下のとおりです。
・特定居住用宅地等…最大330平方メートルまで、最大80パーセント減額
・特定事業用宅地等…最大400平方メートルまで、最大80パーセント減額
・特定同族会社事業用宅地等…最大400平方メートルまで、最大80パーセント減額
・貸付事業用宅地…最大200平方メートルまで、最大50パーセント減額

なお、居住用と事業用の土地を合わせて相続する場合、合計の面積が730平方メートルとなるまで(それぞれの限度面積は居住用が330平方メートル、事業用が400ま平方メートルで)、この特例の適用を受けることができます。

小規模宅地等の特例の手続き

手続きに必要なもの

国税庁によりますと、小規模宅地等の特例の手続きに必要な書類は以下のとおりです。

・相続人の住民票の写し
・被相続人の住民票除票
・相続人の戸籍謄本
・遺言書または遺産分割協議書の写し
・申告期限後3年以内の分割見込書(申告期限内に分割ができない場合)
・相続人全員の印鑑証明書
・戸籍の附表写し(相続人が被相続人と別居していた場合、被相続人が老人ホームに入居していた場合)
・相続家屋の登記簿謄本、借家の賃貸借契約書など(相続人が被相続人と別居していた場合)
・被相続人の老人ホーム入所契約書の写し、等要介護認定証、要支援認定証、障害福祉サービス受給者証など(被相続人が老人ホームに入居していた場合)
・特定事業用宅地等として郵便局に貸していた場合は、その証明書
・特定同族会社事業用宅地等の場合は、法人の約款および株主状況がわかる書類
・貸付事業用宅地等の場合は、相続開始の日まで被相続人が事業を3年以上行っていたことを疎明できる

手続き方法

上記の書類を整えたうえで、相続税の申告書第1表に小規模宅地等の特例を適用した後の評価額を記入し、相続税の申告と併せて行います。

小規模宅地の特例の注意点

本項では、小規模宅地の特例を使い、被相続人が所有していた自宅や事業用宅地、貸付事業用宅地の評価を大幅に減額したいときに注意すべき点をいくつかまとめていきましょう。

まずは、特定居住用宅地に小規模宅地の特例を適用する際に注意が必要な点からご説明します。

実は、自宅を相続人の誰が受け継ぐのかで小規模宅地の特例を適用できる条件が変わってきます

【被相続人の配偶者が相続した場合】
小規模宅地の特例を無条件で適用することができます。

【配偶者以外の被相続人と同居していた親族が相続した場合】
相続税の申告・納付期限である10カ月、該当する土地を所有し、居住を続けた時のみ、小規模宅地の特例が適用されます。

なお、10カ月の間に売却してしまった場合は、小規模宅地の特例の適用を受けることができなくなってしまうので注意が必要です。

【被相続人の配偶者や同居親族ではない親族が相続した場合】
被相続人に近しい親族がおらず、相続が開始される直近3年以内にマイホームを所有せず別居している親族が、この土地を相続して相続税の申告期限まで所有し続ければ、小規模宅地の特例を適用することができます。

なお、この場合は賃貸アパート・マンション暮らしの子どもが亡くなった親の自宅を相続することを想定しています。マイホームを持っていて、亡くなった親の家で田舎暮らしを始めようかなどと考えている子どもの場合には、小規模宅地の特例は受けられません。

単に自宅に「同居している」といっても、細かく見れば、さまざまなパターンがありますが、その暮らし方や自宅の所有状態などによっても小規模宅地の特例の適用には要件が細かく定められています。

まずは、2世帯住宅に小規模宅地の特例を適用ができるかどうかを考えてみましょう。

2世帯住宅には、各世帯の生活を完全に分けている完全分離型と、1棟のなかを世帯ごとに使用スペースを分けて暮らしている非分離型があります。

親子で区分所有の登記をしている場合は、親の区分所有部分に小規模宅地の特例を適用することができる可能性があります。しかし、子どもの区分所有部分には適用できません

いずれ親は子よりも先に亡くなるのは仕方ないことなので、2世帯住宅を建てる際には、いつかは小規模宅地の特例を適用することを念頭に置き、親子で区分所有登記をするのではなく、共有登記にしておくといいでしょう。

2世帯住宅で暮らしていた子ども世帯が、転勤や進学などのさまざまな理由で全員が転居してしまっているときに、2世帯住宅で暮らす親が亡くなってしまうと、同居している状態とはみなされません。この場合、小規模宅地の特例の適用を受けることができなくなってしまいます。

子ども世帯のなかで、例えば父親だけが単身赴任で別のところで暮らしていた場合には、家族が親と暮らしているため、2世帯住宅と認められて小規模宅地の特例の適用を受けることができます。

次に、被相続人に介護が必要となり老人ホームになどの介護施設に入所していた場合や、介護が不要なくらい元気でも、サービス付き高齢者向け住宅などで暮らしていた場合には小規模宅地の特例は適用されるのでしょうか。

1人暮らしをしていた場合は、自宅は不要になりますので、賃貸に出すこともあるかもしれません。ですが、他人に自宅を貸し出してしまうと小規模宅地の特例の適用を受けることができなくなってしまうので注意が必要です。

その他にも相続税を節税する方法を紹介!

相続税の節税対策には、相続が発生した後にできるものはありません。

(推定)被相続人により生前にしっかりと行っておく必要があります。

相続税の節税対策として、代表的な方法を以下でご紹介しましょう。

生前贈与を活用する

生前に財産を次の世代に贈与、つまり無償で譲っておくことも有効な相続税対策のひとつであり、これを生前贈与といいます。

相続税は亡くなった時点における財産の額に比例して高くなることから、亡くなる前に自身の財産を相続人に贈与して死亡時点での財産額から切り離すことにより、そのぶん相続税を安くすることができるのです。

贈与を受けると、その人には贈与税が課税されます。

そうであれば、被相続人の生前に支払う贈与税、相続発生後に支払う相続税の違いだけであり、贈与を受けたり財産を相続すれば、いずれにしても税金は支払わなければならないというようにお考えになると思います。

確かにそのとおりですが、生前贈与には先述した相続税の基礎控除や配偶者控除とは異なる各種の控除制度が設けられています。

なお、贈与税は相続税と比較すると低い財産額から課税されます。

したがって、生前贈与を検討する際は相続が発生して単純に相続した場合に納付すべき相続税の税率と贈与税の税率を慎重に比較してください。

そして、生前贈与による受贈者の贈与税負担が相続発生時における相続税負担よりも少なくなるような配慮が必要です。

以下で生前贈与の具体例を一部ご紹介しましょう。

・暦年贈与

その年の1月1日から年末に受けた贈与の合計額が110万円に満たない場合は、贈与税は課税されず申告も不要です。

ただし、この特例を用いてコンスタントに毎年110万円ずつ贈与を続け、仮にそれが10年間続いたとしたら、税務署は「連年贈与」として最初から合計1,100万円贈与する意図があったとみなし1,100万円に対して贈与税が課税されてしまうことがありますので、注意してください。

・住宅取得等資金の贈与税の非課税特例

親や祖父母など直系尊属が子や孫に受けるが居住用家屋の建築または購入の資金を贈与すると、契約日や住宅の種類などの条件に応じて一定の贈与額に対する贈与税の非課税が認められています

この制度は、年間110万円以下の基礎控除が併用可能です。

・配偶者贈与の特例

婚姻期間が20年以上など一定の条件を満たす配偶者から居住用不動産または居住用不動産を購入するために資金の贈与を受けると、贈与税の課税価格から最大2,000万円までの控除が適用される制度です。

この特例についても、年間110万円の基礎控除と併用することが可能です。

なお、居住用不動産取得にかかる登録免許税や不動産取得税は課税されますので、この点にご注意ください。

生命保険を活用する

被保険者つまり被相続人を契約者かつ被保険者、相続人を受取人とする生命保険の死亡保険金は、みなし相続財産として相続税の課税対象となります。

ただし、相続人が受け取る死亡保険金には非課税枠として「法定相続人の数×500万円」の適用が認められています。

このため、現預金よりも生命保険の死亡保険金のほうが相続税は安くなります。

さらに死亡保険金の総額が上記非課税枠の範囲内であれば、相続人が受け取る死亡保険金に対して相続税は課税されないのです。

また、生命保険の死亡保険金は受取人固有の財産とされており、遺産分割協議の対象外です。

このため、先述の代償分割などのために特定の相続人に対して現金を多く残したい場合は、その人を死亡保険金の受取人とした生命保険を契約しておくことで他の相続人が遺産分割協議の場で不服を唱えようと、生前のご意向通りその人に実質的に現金を相続させることができるのです。

収益物件を活用する

収益物件とは、賃料収入を得ることを目的に所有する一棟あるいは区分所有のマンションやアパート、商業ビルのことです。

手元にある現預金で収益物件を購入することで安定的な賃料収入を得られることと建物の減価償却が損金に算入できることから、相続発生時の相続税納税資金の蓄積になります。

さらに、一般的に不動産の相続税評価額は時価(実際の取引価額)に比べて低く算出されることから、相続発生時に評価額減が採用されない現金を保有していた場合よりも相続税評価額が低くなるため、そのぶん相続税額も安くなるのです。

収益物件の相続税評価額は、以下のように計算されます。
・土地=路線価×補正率×(1-借地権割合×借家割合)
・建物=固定資産税評価額×(1-借家割合)

この結果、土地の形状や所在地、建物の構造や築年数など不動産の個別性にもよりますが、三大都市圏の土地は概ね時価の30パーセントから40パーセント程度、建物は概ね時価の60パーセント程度低くなるものと考えられます。

ただし、収益物件を保有することは思うように賃料収入を得られないリスク、経済環境や周辺環境の変化により収益物件の価値そのものが減価してしまうリスクがあることを忘れないようにしてください。

生前に自分の墓などを用意する

墓地・墓石・仏具・仏像・仏壇などの祭祀財産は相続税の非課税対象資産です。

生前に祭祀財産を用意しておけば、相続税の課税対象にはなりません。

したがって、生前に祭祀財産を用意しておくことは相続税の課税資産を非課税資産に移し変えることになるため、相続税対策の一環になります。

なお、相続発生後に購入した祭祀財産は相続財産から差し引くことができません。

縁起が悪いとお考えになるかもしれませんが、相続税対策と併せて相続発生後に相続人が祭祀財産を用意する手間と費用を考慮すれば、ご検討に値すると考えられます。

困ったら専門家への相談がおすすめ!

小規模宅地の特例についてお伝えしてきましたが、小規模宅地の特例の適用が認められれれば、相続税評価額を大幅に減額できるのは大変な魅力がありますね。

正真正銘、被相続人が所有し居住していた自宅であるから、きっと小規模宅地の特例を適用することができる、と安易に考えがちですが小規模宅地の特例の要件は実際にはかなり細かく定められいます。

先に小規模宅地の特例の適用を受けられない事例について挙げていきましたが、適用要件については奥が深く、かなり複雑です。

手広く事業をしていた被相続人であれば、事業用宅地や貸付事業用宅地ごとに小規模宅地の特例の適用要件が異なりますので、相当な知識が必要となります。

さらに、複数の宅地を所有していた場合には、小規模宅地の特例をどの宅地に適用させるとメリットが大きいのか、それぞれ計算して選択する必要が出てきます。

不動産の相続登記であれば司法書士、税金のプロ・税理士の中でも、小規模宅地の特例など相続税に強い税理士に相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ

不動産の利用形態は千差万別であり、特に事業用の土地に関して小規模宅地等の特例の適用可否を判断することは用途に応じて非常に判断に迷う場面が多々あると思います。

このような場合に、税理士に相談すればどの評価が適用されるか教えてもらえることはもちろんのこと、被相続人の生前に相談しておけば相続税の節税対策についてもアドバイスが期待できます。

また、相続税の申告において小規模宅地等の特例適用を申請する場合も、税理士と慎重に相談しながら書類を作成することをお勧めします。

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監修者太田諭哉
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公認会計士・税理士
自身の親族の相続を経験し、複雑で難解な手続の数々を特別な知識がなくても簡単にできる方法を提供しようと思い立ち、『すてきな相続』を設立。
一般家庭の相続や申告のサポートはもちろん、会社の相続ともいえる、中小企業の事業承継にも早くから取り組んでいる。
日本公認会計士協会東京会渋谷地区会長。

執筆
「小説で読む企業会計」(法学書院)
「公認会計士試験合格必勝ガイド」(法学書院)
「オーナーのためのM&A入門」(カナリア書房)
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