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お金や不動産以外を相続する場合について説明しています。墓地や仏壇、ゴルフ会員権、自動車、保険金、株式、会社、宝石、貴金属などを相続する場合の注意点やポイントについてまとめています。

2019年2月14日 木曜日

自転車や自動車を相続した場合、相続税はかかる?

相続財産は現金や預金といった金融資産、家や土地などの不動産の他にも車や自転車も含まれます

亡くなった人から受け継いだ自転車・自動車は相続財産として相続税がかかります。

遺産相続した車にはどれくらいの相続税がかかり、どのように手続きすればよいのでしょうか?

今回は、自転車や自動車を相続したときの相続税について解説していきます。

遺産相続とは?

遺産相続とは、亡くなった人が残した財産・権利・義務を、残された家族(相続人 )に引き継ぐことをいいます

遺産相続には対象になる財産とならない財産がありますので確認しておきましょう。

▼対象になる財産

  • 自動車・自転車
  • 貴金属類
  • 家・土地などの不動産
  • 銀行預金
  • 株などの有価証券
  • 借金 など

▼対象にならない財産

  • 死亡保険金
  • 死亡退職金
  • 祭祀財産(家系図・仏像・墓碑など)

自転車や自動車も相続の対象となる財産に含まれていますので、相続人になったら相続税がかかります

亡くなった人から何を相続するか確認してから相続税を割り出していきます。

遺産相続してプラスになるものは、自転車や自動車の他にも、現金、預貯金、不動産、投資信託、株、貴金属、骨董品、ゴルフ会員権が挙げられます。

相続財産の評価はいつ行えば良いのか、どのように評価すれば良いのかも考えなければなりません。

現金や預貯金はそのまま価値が分かりますが、自転車や自動車、不動産、株などはその時によって価格が変わります。

そのため、どの時期に遺産を評価するによって遺産分割、相続税が変わってきます。

相続人が複数人いる場合は、遺産分割をすることになり、相続税の計算の場合は相続発生時が基準です。

自転車・自動車も持ち主が亡くなった際に、相続財産に入ります。

相続人全員の共有財産となり、相続手続きが必要です。

相続財産である自動車を譲渡・廃車するには、所有者の名義変更の手続きも必要になります。

亡くなった人が乗っていた車でも、所有者は自動車販売会社のケースもあります。

ローンや残債がない場合は、販売会社は遺産分割には関係がないため、名義変更も簡単に行うことができます。

亡くなったことを証明する死亡除票や戸籍謄本などの書類、法定相続人であることの証明書類も提出しましょう。

遺産相続でよく問題になるのは、車や現金などのプラスの資産だけでなく、マイナスの負債を引き継ぐ場合です

相続財産となるのは借金やローンなどのマイナスの負債も相続の対象になります。

遺産相続により、思わぬ多額の負債を負ってしまった場合、相続放棄という手続きをしなければなりません。

相続の対象になる負債は、未払の家賃、買掛金などの負債がある場合も相続の対象なので注意が必要です。

亡くなった人に多額の負債がある場合は、相続の際にどう対応すべきか考える必要があります。

亡くなった人にどれだけ負の遺産があるか調べるには、現金・預金は銀行にて残高証明書を発行してもらいます。

不動産については、法務局で土地の権利書を発行してもらい、株などの有価証券は証券会社で残高証明書を発行してもらえば分かります。

自動車は車検証を見ると、ローンや負債があるのか確認できるので、必ず見るようにしましょう。

相続税について

自動車は相続税の課税対象になり、評価方法は一般動産として評価を行います。

では、自動車を相続するとどれだけ税金がかかるのでしょうか。

自動車の相続税評価方法は、基本は売買実例価額となり、業者からの買取価格です

売買実例価格や精通者意見価格等を参照して評価が行われます。

売買実例価額が不明な場合は、同じ車種と型式の小売価格から償却費や減価をマイナスしたものが評価額です。

▼自動車の相続税評価方法

自動車の相続税評価方法は、亡くなった日の時点でどのくらいの価値があるのかを算出して相続税評価を割り出します。

車種、年式、事故歴、走行距離などを調べて、似た条件の車の販売価格を調べます。

自動車の相続税評価方法は、中古車販売サイトにある売買実例価額が基本です

ポルシェやフェラーリのような高級視野を相続する場合は、専門的な知識がある精通者による意見価格で評価します。

車種・年式・事故歴・走行距離などを伝えて査定依頼すると精通者意見価格を出してもらえます。

相続税の税率

相続税額の算出方法は、正味の遺産額から基礎控除額を差し引いた残りの額を民法に定める相続分を、按分した額に税率を乗じます。

民法に定める相続分は、基礎控除額を計算するときに用いる法定相続人の数に応じた法定相続分により計算します。

実際の計算は、法定相続分により按分した法定相続分に応ずる取得金額を下表に当てはめて計算します。

算出された金額が相続税の総額の基となる税額となります。

相続税の税率は「相続の開始の日(被相続人の死亡の日)」により以下の通りです。

《相続税の速算表(平成27年1月1日以後の場合)》

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円

相続税の計算方法

自動車は相続税の課税の対象となりますが、自動車の評価方法は決められていません

一般的には、自動車は動産として評価した金額により相続財産として申告します。

一般動産の評価方法は、原則として売買実例価額、精通者意見価格等から評価します。

希少価値の高い車や、高級車の場合は、売買実例価額、精通者意見価格等が明らかでないことがあります。

その場合、同種の新品の課税時期における小売価額から減価償却相当額を控除した金額により評価します。

中古車を相続する場合は、インターネットで売却の見積もりを出してくれる業者に依頼して見ましょう。

中古車買い取り業者に相続する車と車種や年式、走行距離などの条件を伝えて査定を依頼するのも便利です。

相続税申告の流れ

車の名義人が死亡した時点で、車は相続人全員の共有財産となります。

車を相続したら、車を譲渡したり廃車することができますが、まずは相続人への名義変更が必要です

車を相続した場合は、相続税の申告をするだけでなく名義変更の手続きも同時に行いましょう。

 

▼車の名義変更の手続き

  • 戸籍謄本(被相続人(死亡者)のもので相続人全員の記載が必要)
  • 印鑑証明書(単独相続する人のものが必要)
  • 委任状(単独相続人の実印を押したもの)
  • 自動車検査証
  • 自動車税申告書
  • 車庫証明等

車を相続する人が複数である場合は、以下もプラスして準備します。

  • 戸籍謄本(被相続人(死亡者)のもので相続人全員の記載)
  • 印鑑証明書(共同相続する全員のもの)
  • 委任状(共同相続する全員の実印を押したもの)
  • 遺産分割協議書(相続人全員の実印が押印されている)

 

▼名義変更の流れ

⑴車の名義を確認する

⑵車を相続する人を決める

⑶陸運支局、税事務所で名義変更の手続きをする

⑷自動車保険の手続きをする

⑸車の名義を確認する

車の中に保管してある車検証の所有者欄にある名義を確認します。

亡くなった人が自動車ローンを組んでいた場合は所有者が信販会社となるため、所有権解除後に名義変更の手続が必要です。

遺産分割協議にて車を誰が引き継ぐのか、相続人全員の共有財産にするのかを決定します。

遺産分割協議したら遺産分割協議書に明記して、相続人全員が署名押印をします。

陸運支局と税事務所にて必要な書類を提出して、名義変更と自動車税の名義変更の手続きをします。

相続人同士が協議して、一人が相続する場合は移転登録申請書・自動車税申告書が必要です。

申請用紙と申告書は陸運支局と税事務所の窓口で購入することができます。

亡くなった方が所有していた車の車検証は相続手続きでも必要になります。

 

▼自動車の相続税申告

自動車を相続する際は、自動車の証明書類を用意します。

  • 車検証のコピー
  • 自動車の金銭的評価を証明するための査定証

公的な手続きに必要な査定証は、財団法人自動車査定協会で発行されます。

自動車を誰が相続するのか、売却などにより現金化するのかなどを決めたら、相続人全員同意を意味するために遺産分割協議書に署名・押印をします。

普通車の場合は運輸局での手続きとなります。

 

▼普通車に必要な書類

  • 車検証
  • 相続関係を証明する戸籍謄本類
  • 遺産分割協議書
  • 相続人全員の印鑑証明
  • 書庫証明書
  • 移転登録用OCRシート
  • 税申告書など

 

▼軽自動車に必要な書類

  • 相続人の住民票と認印
  • 相続する車の車検証
  • 協会発行のOCRシート
  • 税申告書

遺産分割協議書は、相続人全員の協議により、被相続人の車を特定の相続人が相続することになったことを証明するために必要です。

車名、登録番号、型式、車台番号について詳しく記載します。

遺産分割協議書には、他の財産についての分割協議の内容も記載します。

相続人が一人の場合、軽自動車を相続する場合は遺産分割協議書の作成は必要ありません。

自転車や自動車の相続例

亡くなった人が所有していた自転車や自動車は、相続手続きが必要です。

相続人となったら、自転車や自動車を売却したり廃車にする予定でも、まずは亡くなった人から一旦引き継ぐ必要があります

自動車の相続人への名義変更は、陸運局もしくは、運輪支局、自動車検査登録事務所にて移転登録申請書を提出します。

複数の相続人がいる場合は、相続人の中で誰が名義を変更するかを決めて、財産分割協議書を作成します。

複数の相続人で共同名義にすることも可能ですが、その場合は全員分の書類を揃える必要があります。

自動車の相続には、申請書の他、手数料、納付書、自動車税申告書など様々な書類を揃えて、移転登録申請書を各施設へ提出します。

また、自転車や原付バイク、小型二輪の場合も同じ相続の手続きが必要になります。

相続人になったら、金銭的に価値のあるものは全て遺産分割協議をしてから協議書に載せてください。

自転車を相続した場合は、相続人が新しく防犯登録を済ませておきましょう。

原付バイクや小型二輪は、市区町村役場で廃車手続きをして、相続人の名義で登録手続きを行います。

まとめ

今回は、自転車や自動車を相続したときの相続税について説明していきました。

自転車や自動車も相続の対象となる財産に含まれていますので、相続人になると相続税がかかります

自動車は相続税の課税対象になり、評価方法は一般動産として評価を行います。

中古車を相続する場合は、インターネットで売却の見積もりを出してくれる業者に依頼してみましょう。

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監修者太田諭哉
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公認会計士・税理士
自身の親族の相続を経験し、複雑で難解な手続の数々を特別な知識がなくても簡単にできる方法を提供しようと思い立ち、『すてきな相続』を設立。
一般家庭の相続や申告のサポートはもちろん、会社の相続ともいえる、中小企業の事業承継にも早くから取り組んでいる。
日本公認会計士協会東京会渋谷地区会長。

執筆
「小説で読む企業会計」(法学書院)
「公認会計士試験合格必勝ガイド」(法学書院)
「オーナーのためのM&A入門」(カナリア書房)
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