2019年2月20日 水曜日
遺言の役割、法的効力はどこまで?知っておきたい知識
高齢者社会によって、婚活や妊活のように、最近では「50歳を過ぎたら終活」という言葉がメディアを賑わせています。
そして、この「終活」の中には「遺言書」も含まれています。
遺言書といえば、あなたは正式な遺言証の書き方をご存じですか?
遺言書には必要事項が1つでも抜けていると無効になってしまうのです。
法的に有効な遺言状を遺さないと、せっかくの遺言状もただの落書きした紙切れと同然となってしまいます。
また遺言状には異なる効力の4つの種類がある事や、遺言状でも排除できない「遺留分減殺請求権(以下「遺留分請求権」という)」についても併せて知っておかないと、法定相続人の遺留分請求権に邪魔されて、あなたが思ったとおりの相続分与が完成しません。
そこでこの記事では、あなたが思い描く「相続」のために大切な遺言状を作成するにあたり、その役割や法的効力等、必要な知識について解説していきます。
遺産相続の相続分
遺産相続の分け方には、指定相続分と法定相続分と2種類があります。
まずは指定相続分から解説します。
指定相続分とは
「指定相続分って?」と何だか聞き慣れない言葉のように思うかもしれませんが、一般的によく知られている相続の方法です。
相続財産を持つ人が、遺言書で誰にどの財産をどんなふうに分けるかを遺言書で指定された相続財産の取り分を、「指定相続分」といいます。
あなたの財産が、民法で定める法定相続分通りに分割されることに不満がある場合に、遺言書を遺して、財産をあなたの満足できる方法で「指定相続」させられる方法です。
仲の良い家族や親族なら、相続に関わる親族を呼び、言い聞かせるだけでも良いのかもしれません。
例えば、預貯金よりも先祖伝来の品や土地ばかりが多く、それらの家宝や土地を守っていくために、長男総相続という相続の仕方が昔からあります。
一人に相続させるということは、非常に不公平であるように見えますが、土地の分散や家宝の売却を防ぐ唯一の方法で、その相続税を一人で支払うために、相続税のための預貯金も相続させる必要があります。
一般的に長男総相続をする家計は、何代も前からその相続方法が当たり前だと親族が認識しており、生前から他の親族にもそれ相応に多少の財産を分け与えているケースも多いものです。
会社を経営している家は、会社を継ぐ者とそうでない者には、相続割合が違う事もあります。
上記のような、民法とは異なる相続方法は、親の遺言で家族・親族全員が納得している場合や、遺言書を作成している場合があります。
子供のいない夫婦が、配偶者の財産を守るために、両親や兄弟姉妹に財産が渡らないよう遺言書を遺すこともあります。
指定相続には先に述べたように家や家族を守るための相続もあれば、親子の仲が悪くて、勘当した子供には財産を分け与えない等、さまざまな理由で指定相続がなされます。
遺言書は、この指定相続をあなたの死後、あなたの思うように相続を実行するための手段の一つといえるでしょう。
遺留分を侵害しない範囲で、民法で定めた法定相続分よりも、遺言書に定められた指定相続分の方が優先します。
遺留分とは、遺言書の種類について解説した後、追って解説します。
法定相続分については、次に解説します。
法定相続分とは
法定相続分とは、その名の通り法(民法)で定められた相続分のことです。
民法では、被相続人との親族関係によって、被相続人の財産を相続する人(以下「法定相続人」という)の順位とその相続財産の取り分(以下「法定相続分」という)が定められています。
では、法定相続分について解説します。
子供がいる場合は、無条件に配偶者と子供に半分ずつです。
配偶者がいない場合は、子供に全ての相続財産が渡ります。
子供がいない場合は、配偶者対直系尊属の割合が下記の表のように決まっています。
被相続人との関係 |
相続分 |
|
1位 |
配偶者 |
2分の1 |
1位 |
子供
(胎児が生まれた場合被相続人が死んだ日に遡って相続する) |
2分の1 |
2位 |
直系尊属
(直近の親等の尊属で、1人でもいたら直近親等で、亡くなった人の尊属は含まない) |
3分の1 |
3位 |
兄弟姉妹(代襲相続を含む) |
4分の1 |
直系尊属の場合は、直系尊属は最高2人です。
両親がいない場合で祖父母がいたら、祖父母が兄弟姉妹に優先します。
父親と祖母がいた場合は、父親だけが法定相続人の尊属です。
祖母は法定相続人に含まれません。
尊属が一切いない場合は、配偶者と兄弟姉妹となります。
被相続人よりも先に亡くなっている兄弟姉妹がいたとしても、その兄弟姉妹に被相続人が死んだときに子供がいた場合、あるいは胎児であったとしても、その子が生まれたら、被相続人が死んだときに遡って、法定相続人に含まれます。
これを代襲相続といいます。
ただし、被相続人が亡くなった時に胎児としても存在していない場合は、子供であっても代襲相続権を得ることはありません。
サスペンスドラマで殺人の動機を探るときに、「死んだ日時」、「妊娠した日」、「胎児の誕生を阻止」が問題となるのはそのためです。
遺言書の種類や効力
遺言書もさまざまなタイプがあり、その効力が異なりますので、簡単に作成できる方法から順に紹介していきましょう。
自筆証書遺言
自筆証書遺言の作成方法とメリット
手書きで、遺言者の思いを相続人となる人たちに向けて手紙を書くように、便箋や用紙に遺言を遺す方法です。
自筆証書遺言は、相続財産を誰にどのように分けるかを、自由に決めることができ、それを自分一人で書き記すことで、自分以外の人に内緒にできる、遺言書の中では最も簡単な方法です。
遺言書全文と署名を自筆にすることで、筆跡によって本人の遺志であることを明確にし、本人が書いたことを証明する遺言書です。
手紙を遺すように自分で書いて遺すので、費用もかからない最も簡単な遺言書です。
気をつけることは、消えない筆記用具で全文自筆、最後に「追伸」といった感じで、家族への思いや希望を付記することもできます。
そして忘れてはいけないのが、西暦でも元号でも構いませんが、年月日と署名、印鑑が必要です。
何度でも書き直せますが、日付が新しい方が有効です。
<自筆証書遺言書作成のための必須事項>
- 消せない筆記用具で全文自筆である事
- 遺言状である事がわかること
- 遺言書を作成した元号や西暦の年月日
- 自筆署名(誰が書いたものかわかるように最低住所氏名が必須)
- 印鑑
どれかひとつでも欠けてしまったら、その遺言状は無効になります。
遺言を書く紙自体は、便箋でもメモ帳でも、何でも問題ありません。
極端な話、新聞広告の裏紙でも良いのです。
しかし、一般的に心を込めて書く大切な遺言書ですから、封筒に入れるために、便箋等に書くのが一般的です。
また、自分が死んだ後に読まれるのですから、誰が読んでもわかるように、あなたが望む相続方法を具体的に細かく記す必要があります。
財産が多い人は、まずは財産目録を作って、その財産を誰にどのように相続させるかを、細かく具体的にわかりやすく、誤解を招かないように明記しましょう。
自筆証書遺言のデメリット
自筆証書遺言の欠点は、自分で相続人になり得る親族に秘密にして保管しておく遺言書なので、認知症のような病気のために保管した場所を忘れたり、亡くなった後に誰にも遺言書を見つけて貰えなかったりする可能性も否定できません。
また、はじめに遺言書を見つけた相続に関係する人に、遺言書を隠されたり、破棄されたり、書き直しを迫られる可能性も否定できません。
また、遺言者の死後に、遺言書が法的に有効なものかどうか、家庭裁判所の検認が必要となります。
秘密証書遺言
秘密証書遺言の作成方法
秘密証書遺言は、自分で作成した遺言書を、証人2人と公証人が証明してくれた遺言書です。
遺言書の内容は、代筆でもパソコンでも構いません。
ただし、日付・自筆署名・印鑑は必要です。
そして、遺言書である事が明確で、財産分与の方法が具体的にわかりやすく書かれている必要があります。
<秘密証書遺言書作成のための必須事項>
- 遺言状である事がわかる
- 具体的な財産分与方法
- 遺言書を作成した元号や西暦の年月日
- 自筆署名(誰が書いたものかわかるように最低住所氏名が必須)
- 印鑑
<本人の遺志として遺す遺言書であることを証明する方法>
(1)公証役場にアポイントを取る
(2)約束の日時に、封をした遺言書を持って、証人を2人連れて公証役場に出向く
(3)封をした遺言書を証人の前で公証人に提出する
(4)遺言者は、住所氏名を名乗って、自分の遺言書である事を公証人と証人の前で陳述する
(5)遺言書の封書に公証人が遺言者本人の遺言書である事を封書に書いて証明する
- 遺言者住所・氏名・日付を記入して、遺言者本人の遺言書である事を封書に記す
- 遺言書が代筆である場合は、代筆者の名前も明記
- 公証人の署名・押印(公証役場の年月日付の検印がある場合もある)
(6)証人2人以上と遺言者が署名捺印
このように、封書に公証人が証人2人の前で、本人の遺言書である事を検認してもらった上で、遺言者が自宅に持ち帰って保管しておきます。
病気やケガなどで公証役場に出向くことができない場合は、公証人と証人2人が遺言者の元に訪れる事も可能です。
秘密証書遺言のデメリット
しかし、公証人に証明してもらったのは、「公証人の前に差し出された遺言書が、その遺言書を差し出した本人のものである」という事だけです。
公証人が遺言書の内容を確認したわけではないので、秘密証書遺言も遺言者の死後に、その遺言書が法的に有効なものかどうかの家庭裁判所の検認が必要となります。
また、遺言者が任意の場所に保管するので、自筆証書遺言同様に遺族に見つけてもらえなかったり、遺族に隠されたり、破棄されたり、生前に遺族に見つかれば、書き直しを迫られたり、内容を見せるよう迫られる可能性もあります。
遺言書の扱いは自筆証書遺言と同じですが、公証人の手間を取らせるので、その分の費用がかかります。
秘密証書遺言の数少ないメリット
そもそも秘密証書遺言は、自筆証書遺言と効力にはほとんど差はないものの、本人の意思によって書かれた本物の遺言書である事だけを証明する遺言書です。
一般的に自筆であるだけで親族には本人のものである事がわかるので、わざわざ公証人に証明してもらう必要は無く、最も利用されることの少ない遺言書ともいえます。
ただし、相続させたい相手に自分の自筆である事をわかって貰えないような関係の場合に有効です。
例えば、数十年もあっていない生き別れた配偶者や子供、あるいは会ったことの無い子供や孫、会ったことの無い親族や世話になった人の子供等に充てた遺言書の場合は、有効かもしれません。
公正証書遺言
公正証書遺言の作成方法
公証人が、遺言者本人と遺言内容を打ち合せ、十分に遺言者本人の遺言内容を確認し、その内容を公証人が代筆して、完全に法的に有効な遺言書を作成します。
できあがった遺言書を2人以上の証人と遺言者本人が、公証人が作成した遺言書の内容を確認し、各々署名・押印、最後に公証人の署名押印、公証人役場の年月日付きの検印で、公正証書遺言の完成です。
一般的に、遺言者本人はあらかじめ遺言内容を完成させていて、その内容に対して公証人が不備等の指摘をし、内容を訂正し、法的に有効な完璧な遺言書にして、後日公証人が作成した署名のされていない公正証書遺言を遺言者本人と証人2人に確認してもらって、全員で署名捺印する方法をとります。
しかし、遺言者が入院中だったり寝たきりだったりするようなやむを得ない場合は、公証人と証人2人が、遺言者本人の自宅や病室に出向くこともあります。
公証人が作成した不備のない法的に完璧な遺言書なので、遺言者の死後、家庭裁判所の検認の必要はありません。
公証人自身が本人の意思を吟味した上で作成した遺言書ですから、本人の意思にそって作成された遺言書である事は疑いようもなく、遺言書としては、最高裁判所の判決が下った最高に法的威力のある遺言書です。
また、原本が公証役場で保管されている遺言書ですから、自宅にある遺言書のコピーを親族が隠しても破棄しても、遺言書の存在をどうすることもできません。
しかし、自宅でコピーを保管しているので、遺言者のミスで、相続人になり得る親族に遺言書の存在がバレて、書き直しを要求されても、新しい遺言書を本人が書かない限り、遺言内容の訂正はできませんが、遺産相続争いが勃発するリスクは否めません。
公正証書遺言の数少ないデメリット
最高裁の判決同様の効力を持つ公正証書遺言でも、遺留分請求権を妨げる効力はありません。
特別方式の遺言
危急時遺言の場合
一般危急時遺言と難船危急時遺言の2つがあります。
▼一般危急時遺言
被相続人の死が迫っていて、自筆もできず、公証人に頼んだりする暇も無いような緊急を要する場合、証人3人以上を用意して、遺言者が口述した内容を証人の1人が代筆して、他の証人がその内容に誤記がないことを確認して、証人全員が署名捺印をします。
そして20日以内に家庭裁判所の検認を行う必要があります。
期限内に家庭裁判所の検認がない場合は、無効となります。
▼難船危急時遺言
「難船危急時遺言」という遺言書ですが、船舶上だけでなく、同じ状態で飛行中に死が迫っている場合も含まれます。
同じ方法で口述筆記を証人がするのですが、証人は2人で、1人が筆記し、もう一人が確認して、証人が署名押印して遺言書を作成します。
そして、船舶や飛行機が陸に辿り着いて遅滞なく、家庭裁判所の検認を受けなければなりません。
一般社会から隔離された場所の隔絶地遺言の場合
伝染病で隔離された生活を送っていたり、刑務所で服役中だったり、被災地で交通手段が隔離された場所にいる状態で、遺言書の作成が急務となった場合の遺言書を「隔絶地遺言」といいます。
警察官1人と証人1人が立ち会い、自分で遺言書を作成し、内容を秘密にする事はできません。
とにかく、一般的な方法で遺言書が作成できない場合、死後の裁判所の検認が難しい場合等のために、特別に許可された遺言書作成方法です。
また、船乗りだったり、長期間の船舶旅行中だったりする場合で緊急に遺言書の作成が必要となった場合は、警察官が船に乗っていないのがほとんどですから、船長あるいは船舶の事務員1人と証人2人以上の立ち会いが必要です。
船以外の隔絶された場所で作成する特別な遺言書を「一般隔絶地遺言書」といい、船舶の上の場合は「船舶隔絶地遺言」といいます。
飛行機の場合は、すぐに戻れるので隔絶地遺言に該当しません。
遺留分を理解しておきましょう
遺留分減殺請求権について
遺留分減殺請求権(以下「遺留分請求権」という)は形成権ですから、家庭裁判所に申し出れば、基本的に認められます(本人の誤解等があると裁判所が判断した場合を除く)。
遺留分とは、法定相続人の相続分の割合の権利の半分をいいます。
本来、法定相続人であるにも拘わらず、遺言書で相続人に加えて貰えなかったり、法定相続分よりも少ない相続分だった場合、それが遺留分の相続権も侵害する程度だった場合、家庭裁判所に申し出て、遺留分請求権を行使する権利があります。
一般的に遺言者の遺志が優先されますので、どうしても遺言に納得できず、家庭裁判所に申し出るくらい手間をかけても、権利を主張したい人だけが行使できる権利です。
遺留分請求権の時効と除斥期間
当然ですが、遺留分請求権には時効もあります。
通常遺留分の侵害が存在した事を知った時から1年を経過したら、時効によって遺留分請求はできないのです。
例えば、相続を開始して、後から妹が生前贈与や内緒の遺贈が合ったことを後から知ったというような場合、本来もらうべき相続分が知らない間に減額されていた(自分が認識していた相続財産が減額されたものだった)、というような相続が不公平だったことを知った時点から、1年間の間に遺留分請求権を行使しなければなりません。
それを過ぎると、時効により遺留分請求権を行使できなくなります。
しかし、民法には除斥期間という権利の消滅期間というものがあります。
言い換えれば、法が権利の確定を速やかに確定するために勝手に設けた期間です。
遺留分請求権にも除斥期間があって、相続が開始して10年経過したら除斥期間経過として、遺留分請求権は消滅します。
つまり、あなたの遺留分の権利も10年経ったら、現在相続権を主張している人に完全にその権利が確定してしまうということです。
しかし、除斥期間にも判例による例外があります。
不法行為等の賠償請求に除斥期間が適用されるのは被害者があまりにも不憫だとして、判例によって除斥期間は適用されない例外が作られました。
もしかしたら、遺留分請求においても、除斥期間による権利の消滅が、この不法行為の除斥期間の例外に該当するほど理不尽だと裁判所が判断すれば、例外も絶対無いとはいえません。
また、先述しましたが、遺留分請求権は形成権です。
主張すれば成立する権利なのです。
相続開始から10年経つ前に遺留分を侵害されていることに気づいて、1年の時効が確定する前に1度でも遺留分を主張すれば、その時点で遺留分の相続権が確定します。
その権利を渡すかどうかの相続争いは別の問題です。
そのため、相続争いの期間がどんなに長引いても、権利が確定してしまった以上、除斥期間によって権利の消滅を主張することはできません。
法的効力の認められる遺言書の内容とは
上記のようなルールを守ったとしても、遺言書に書いたもの全てに法的効力があるわけではありません。
一般的に、身分に関する事、祭祀に関する事、財産に関する事、遺留分相殺の方法、遺言執行に関する事に、法的効力が及びます。
この他の内容は、遺言書に書かれていても法的効力は無いのです。
しかし、遺言者は遺された大切な人々の幸せを祈って遺言書を作成するのですから、遺言者の気持ちを遺言者の手紙として思いを綴った言葉を書くことで、法的拘束力は無くても、遺族の心に響きます。
遺言者の気持ちを考えて、相続争いを落ち着かせ、遺言者の思い通りに相続を完成させる手助けをする効果があります。
ただし、法的効力の無い遺言者の思いを綴るのは、法的効力のある遺言内容の後に、「最後に」、「追伸」といった形で付記することが望ましいといえます。
遺言書は、遺言者の意思を誰にでもわかるように、わかりやすく書き記すことが望ましいので、途中途中で思いを述べていたら、わかりにくい遺言書になってしまうからです。
では、遺言書によって法的効力のある項目について解説します。
ただし、「遺留分を侵害しない範囲で」というのが原則です。
身分に関する事
婚外子の認知、推定相続人の遺言排除に関する事、未成年に関する後見人や後見監督人の指定、障害者や認知症の親族の成年後見人に関する事、遺言執行人に関する事等があげられます。
身分に関する事は、一般的に遺言書に逆らうことはできません。
財産に関する事
財産を相続させること、生命保険の受取人の変更、祭祀主催者の指定、相続人の指定、遺留分減殺請求の方法指定、財産の分配方法、遺贈について、寄付について、一般財団法人の設立や財産の拠出、信託財産について、会社の後継等、相続のためのさまざまな条件、担保条件等が該当します。
ただし、遺留分を侵害し、その遺留分請求権が行使された場合は、一般的に遺留分請求権が行使された遺留分の方が優先します。
遺言執行人を指定
信頼できる遺言執行人を指定することも、遺言執行人は遺留分には一切関係ないので、相続人が遺言書に逆らうことはできません。
困ったら相談を!
財産が多くても少なくても、相続トラブルは起こり得ます。
また、相続に関する法律は平成30年に大改正も行われます。
自分の死後にスムーズに相続が行われるように何をしたらいいのか、あるいは相続税で困らないようにするにはどんな方法があるのか等、さまざまな不安があるかと思います。
そのような場合は、自分ひとりで思い悩むよりも、それぞれの専門家に相談することをお勧めします。
例えば、弁護士に自筆の遺言書を見てもらうだけでも、遺言書の不備を指摘して貰えるので、遺言書が無効になることを防げます。
また、弁護士に相談すれば、あなたの希望を叶えることのできる、より良い相続法が見つかるかもしれません。
税理士に相談したら、最も有効な相続税対策のアドバイスを受けられます。
不動産の名義変更なら司法書士かもしれません。
税以外の問題なら、何でもできる弁護士にお任せするのがお勧めですが、全部を弁護士に任せるのは敷居が高いかもしれません。
しかし、その壁を越えて得られる結果のために、まずは一歩を踏み出して相談してみましょう。
弁護士会を通じて法律相談の予約をして、1時間5,000円等(弁護士会によって時間や費用は異なる場合あり)の費用はかかりますが、専門家に相談してみるだけでも、何か光が見えてくるかもしれません。
あなたの遺志を遺された大切な人にわかってもらうためにも、あなたの悩みに最も相応しい専門家に相談して、最も効果的で法的に有効な遺言書を作ることをお勧めします。